ビワキジラミの防除マニュアルを改定 農研機構2020年11月5日
農研機構は11月4日、ビワキジラミ防除の総合技術マニュアル改訂版をホームページで公開した。新たに登録・適用拡大された農薬3種類を追加し、年3回の防除を柱に生産・防除指導に役立つ被害低減技術を分かりやすく紹介している。
ビワキジラミの成虫
ビワキジラミは2012年に国内で初めて確認された新しいビワの害虫。発見時には未知の害虫だったため対策技術が十分ではなく、急速に被害が拡大していた。
そこで農研機構は分布拡大の抑制と防除技術の確立に着手し、関係県の研究・普及機関や生産者団体、大学とともに、ビワキジラミの生態解明やモニタリング、防除技術などの開発を進めており、「ビワキジラミ防除のための総合技術マニュアル」として取りまとめ、今年3月に初版を公開した。
![袋かけした果実の被害](https://www.jacom.or.jp/nouyaku/images/nous20110519_2.jpg)
改定版マニュアルでは、今年新たにビワキジラミに適用拡大された「アセタミプリド水和剤」(商品名:モスピラン顆粒水溶剤)、「ピリダベン水和剤」(サンマイト水和剤)に加え、収穫期にビワキジラミが高密度で発生したときの収穫後の応急的な散布や、苗木新植時の予防的な散布などで利用可能な農薬として新規登録された「DMTP乳剤」(スプラサイド乳剤40)の情報を追加。秋季(開花初期)、春季(袋かけ前)、夏季(収穫後)のビワキジラミ対策に最適化した防除暦を更新した。
農研機構を中心とした研究グループでは、ビワ生産の効率的な年間防除スケジュールが確立されたことを受け、「ビワキジラミの被害に悩む地域の生産・防除指導に役立つことを期待している」とし、ビワキジラミの発生地域でも安心してビワ栽培ができる防除暦の活用を呼びかけている。
改訂版のマニュアル(PDF形式)は農研機構のウェブページから無料ダウンロードできる。
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