作物保護化学薬品市場 2026年に639億米ドル規模到達の見込み2021年9月29日
株式会社グローバルインフォメーションは9月21日、市場調査レポート「作物保護化学薬品の世界市場:業界動向、市場シェア・規模・成長率・機会および予測(2021年~2026年)」(IMARC Services Private Limited)の販売を開始した。
同レポートによると、作物保護化学薬品市場は、2020年に532億1000万米ドルの価値に達し、将来的には、2026年には639億米ドルに達すると予想されている。
作物保護化学薬品は、農作物に被害を与える植物の病気や雑草、その他の害虫を管理し、最小限に抑え、農作物の収穫量の増加と維持にも役立つ。作物保護化学薬品は、主に除草剤、殺虫剤、殺菌剤に分類。以前、農家はヒ素や水銀塩などの無機化合物を使って昆虫や菌類の侵入を防いでいたが、現在では、鳥や昆虫、ネズミ、バクテリアなどによる被害から作物を守るために、何百種類もの化学物質が使われている。
作物保護化学薬品の重要性は、ここ数十年の間に著しく高まっており、その背景には、農業生産高を向上させ、増加する世界人口に十分な食料を確保する必要性がある。
現在、約76億人の世界の人口は、2050年には90億人を超えると予想されている。さらに、都市化が進み、都市に住む人が地方に住む人に比べて多くなっているため、耕作可能な土地の量も減少。作物保護化学薬品は、今後数年間、農業の生産性向上に大きな役割を果たすことが期待されている。これらの化学物質は、収穫量を減少させる害虫を駆除することにより、農業の収穫量を最大化。その結果、1エーカーあたりの生産量が増えており、森林や原生の草原、湿地、平原、その他の野生生物の生息地などの自然地域を農地に転換する必要性を低減することが期待される。
除草剤などの作物保護化学薬品は、不耕起栽培を可能にし、土壌にほとんど手を加えないことで浸食を減らすことができる。不耕起栽培では、除草剤を使って雑草を駆除することができるため、耕作の必要がない。また、作物の残留物は、水生生物の生息地や下流の淡水供給に影響を与える可能性のある農薬や土壌の流出を防ぐ。
物保護化学薬品のもう一つの大きなメリットは、感染性昆虫の防除。家畜には、病気を引き起こしたり、噛まれて痛い思いをしたり、ストレスを与えたりするハエなどの様々な害虫がいる。殺虫剤は、これらの害虫を駆除するために大きな役割を果たしており、その結果、家畜は飼料をより効率的に肉やミルクに変えることができ、収益性を高めることができる。
また、作物保護化学薬品は、外来種の害虫の繁殖を抑えるためにも使われている。例えば、除草剤は沼地や湿地の雑草であるムラサキウマゴヤシの駆除に非常に効果的であることがわかった。同様に、除草剤は道路沿いや農地のカナダアザミやジョンソングラスにも有効だった。
作物保護化学薬品も高品質の穀物や飼料の生産に大きな役割を果たしており、殺虫剤はアルファルファの作物を虫や病気から守る。これがなければ、乳牛の重要な食事条件であるタンパク質含有量や収穫量の大幅な減少につながる。
■製品タイプ別の市場構成
・除草剤
・殺菌剤
・殺虫剤
・その他
■原産地別の市場構成
・合成
・天然
■作物の種類別の市場構成
・穀類と穀物
・果物と野菜
・油糧種子および豆類
・その他
■形態別の市場構成
・液体
・固体
■用途別の市場構成
・葉面散布
・種子処理
・土壌処理
・その他
■地域別の市場構成
・アジア太平洋地域
・北アメリカ
・ヨーロッパ
・中近東・アフリカ
・ラテンアメリカ
世界の作物保護化学薬品市場における主要企業は次の通り。
BASF SE、Corteva Agriscience、住友化学株式会社、Syngenta AG、Bayer Cropscience AG、FMC Corporation、Monsanto Company、Nufarm Limited、ADAMA Agricultural Solutions Ltd.など
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(172)食料・農業・農村基本計画(14)新たなリスクへの対応2025年12月13日 -
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践(89)フタルイミド(求電子剤)【防除学習帖】第328回2025年12月13日 -
農薬の正しい使い方(62)除草剤の生態的選択性【今さら聞けない営農情報】第328回2025年12月13日 -
スーパーの米価 前週から14円下がり5kg4321円に 3週ぶりに価格低下2025年12月12日 -
【人事異動】JA全農(2026年2月1日付)2025年12月12日 -
新品種育成と普及 国が主導 法制化を検討2025年12月12日 -
「農作業安全表彰」を新設 農水省2025年12月12日 -
鈴木農相 今年の漢字は「苗」 その心は...2025年12月12日 -
米価急落へ「時限爆弾」 丸山島根県知事が警鐘 「コミットの必要」にも言及2025年12月12日 -
(465)「テロワール」と「テクノワール」【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年12月12日 -
VR体験と牧場の音当てクイズで楽しく学ぶ「ファミマこども食堂」開催 JA全農2025年12月12日 -
いちご生産量日本一 栃木県産「とちあいか」無料試食イベント開催 JA全農とちぎ2025年12月12日 -
「いちごフェア」開催 先着1000人にクーポンをプレゼント JAタウン2025年12月12日 -
生協×JA連携開始「よりよい営農活動」で持続可能な農業を推進2025年12月12日 -
「GREEN×EXPO 2027交通円滑化推進会議」を設置 2027年国際園芸博覧会協会2025年12月12日 -
【組織改定・人事異動】デンカ(1月1日付)2025年12月12日 -
福島県トップブランド米「福、笑い」飲食店タイアップフェア 期間限定で開催中2025年12月12日 -
冬季限定「ふんわり米粉のシュトーレンパウンド」など販売開始 come×come2025年12月12日 -
宮城県酪初 ドローンを活用した暑熱対策事業を実施 デザミス2025年12月12日 -
なら近大農法で栽培「コープの農場のいちご」販売開始 ならコープ2025年12月12日


































