天然キレート剤市場における農薬用途 2030年に2億1500万米ドル到達予測2022年11月8日
グローバルインフォメーションは、市場調査レポート「天然キレート剤の世界市場 (2022年~2030年):市場規模 (製品・原料・用途別)・地域的展望・成長の潜在性・価格動向・競合市場シェア・予測」(Global Market Insights Inc.)を販売している。
天然キレート剤市場は、新しい洗浄技術の採用が増加していることから、今後、目覚ましい成長を記録すると予想。グリーンキレート剤は、洗濯用洗剤、工業用クリーニング製品、家庭用クリーナーの性能を向上させる。金属イオンの除去は、水を利用する多くの家庭用および工業用プロセスで重要な役割を担っている。そのため、企業はリン酸塩などの従来製品に代わる持続可能な解決策を提供するために、革新的なキレート剤を開発している。
その代表的な例が、ほとんどの洗浄用途に使用できるように開発された、Nouryon社のグリーンキレート剤、Dissolvine(R) M(MGDA)およびDissolvine(R) GL(GLDA)。これらの化合物は、金属イオンとより強力な結合を形成することで、グルコン酸塩、ゼオライト、クエン酸塩などのリン酸塩代替物質よりも優れた性能を発揮する。このような革新的な製品の導入は、業界の成長を加速する可能性がある。
天然キレート剤市場は、製品、供給元、用途、地域別に分類。
製品別に、イミノジコハク酸(IDSA)セグメントは、2030年までに高い収益を記録するとみられる。IDSAは、NTAやEDTAなどの従来の薬剤に代わる、より環境に優しい高性能錯化剤と見なされている。
この化合物は、カルシウム、鉄、銅イオンを5重構造に結合する優れた能力を持っており、さらに、IDSAは優れた生分解性を有しているため、持続可能性を促進。農薬、パーソナルケア製品、洗剤などの製品で利用を拡大できる。
用途別に、パルプ・製紙業界における漂白用途のグリーンキレート剤の重要性が高まっている。パルプ・製紙業界のナチュラルキレート剤市場は2022年から2030年にかけて大きな成長を記録すると予測。鉄、マンガン、銅などの遷移金属イオンによる酸素、過酸化水素、オゾンの分解促進により、パルプ漂白のための塩素や酸素ベースの化学物質の使用は減少している。
天然キレート剤は、パルプ中の金属イオンの制御を最適化し、最終製品の品質を向上させる。これらの要因から、パッケージングなどの関連産業におけるグリーンキレートの需要が高まることが予想される。
バイオベース肥料の使用量が増加していることから、農薬用途の産業価値は2030年までに2億1500万米ドルを超えると予測されている。
化学物質や肥料にグリーンキレートを使うと、微量元素の吸収が可能になり、作物の栄養価を向上させることができる。こうした特性により、農薬用途での製品需要がさらに高まるとみられる。
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