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【年頭あいさつ 2023】本田卓 農薬工業会 会長2023年1月2日

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新年あけましておめでとうございます。

今年もJAcom農業協同組合新聞をよろしくお願い申し上げます。
JAcomでは、元日から3日まで、農林水産大臣をはじめJAグループ全国連、農業関連団体のトップなどによる年頭のあいさつを掲載しています。

本田 卓 農薬工業会会長本田 卓
農薬工業会会長

新年おめでとうございます。さわやかな新春をお迎えのこととお慶び申し上げます。

2020年から続く新型コロナウイルス感染症の状況が未だ予断を許さない状況が続いています。感染に苦しまれている方々や経済的影響を受けられた方々、さらには昨年8月の東北・北陸を中心とした豪雨、9月の台風14号、15号により被害を受けられた方々に心よりお見舞い申し上げます。

コロナ禍により、生活様式、働き方や仕事の在り方が激変し、企業活動も様々な制約を受けました。その状況でも、当会会員は、製造現場の感染防止に細心の注意を払い、農薬等の作物保護資材の安定供給に努めました。さらに昨年からのウクライナ情勢が農作物の供給に世界的影響を与えてきており、食料安全保障が現実問題となり、安定的な食料生産と持続可能な農業の推進が喫緊の課題となってきています。今後も、「農作物の収量・品質の確保」に不可欠の資材を提供する産業界として、さらなるイノベーションを推進して、その責任を果たしていく所存です。

一方、日本の農業は担い手の減少と高齢化による労働力不足が深刻化しており、更にコロナ禍の影響もありコメの需要減、ウクライナ情勢も要因となる原材料・エネルギー価格の上昇による肥料・飼料・燃料等の生産資材価格の上昇がみられ農業者の方々は大変ご苦労されていることと思います。これを打開するために一層の効率化に向けたスマート農業への期待は益々高まっています。当会会員は、現場ニーズに応えた製剤や散布技術の開発を重点課題と捉え、スマート農業を後押しして参ります。また、さまざまなリスク低減に寄与するような、最適な処理技術の開発について、関連団体とも情報共有を行いながら取り組んで参ります。

また、当会の会員会社の多くが作物保護に関わる知識・情報を持つプロ集団であり、日々農業者や流通の皆様のご要望やご質問に対応しながら、農業生産現場での様々な課題解決に取り組んでおります。当会では、農業者・農薬流通の方々に、農薬に関する各種ツールの提供や食の未来のための活動内容を知っていただくために、当会活動紹介リーフレット「日本の、食の安全と、安心のために。」を作成しています。また、薬剤抵抗性が問題となる農業生産現場では、農薬の抵抗性管理をしっかり行うことが重要と考え、RACコードを利用したローテーション防除について解説したリーフレット「RACコードをご存じですか?」も提供しています。コロナ禍で現場にお伺いして適切な対応をすることが難しい状況が続いておりますが、これらの取組を通して、農業者の労働負荷軽減や、高品質な農産物の安定的な生産につながり、市場の拡大とともに農家の収入の増加につながることを期待しております。

本年の干支は癸卯(みずのとう)で、「今までの努力が実を結び、勢いよく成長し飛躍するような年」と言われています。新年は、コロナ禍が収束し、平常時の経済活動が再開でき、これまでの当会の科学に基づく情報発信が広がり、農業者の皆様とともに、「農薬の安全性と有用性が多くの人々に認められ、農業者が自信を持って農産物を生産し、消費者は安全・安心な食生活を楽しめる社会となっている」という当会の目標が前進するよう、努めて参る所存です。

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