新規殺虫剤「セフィーナDC」3月1日から販売開始 BASFジャパン2023年2月28日
BASFジャパンは3月1日、新規殺虫剤「セフィーナDC」を発売。植物を吸汁加害するアブラムシ類に対して優れた阻害効果を発揮し、吸汁による被害を抑えることでアブラムシ類が植物病原ウイルスを媒介することを抑制する。また、標的外生物への影響が限定的で、安全性が高い。
天然物由来の「セフィーナDC」の有効成分「インスカリス」(化合物名:アフィドピロペン)は、天然糸状菌の発酵産物をもとに、2015年にノーベル生理学・医学賞を受賞した大村智博士をリーダーとした北里研究所の大村グループと、旧Meiji Seikaファルマ(現MMAG)が共同で発見。BASFが製剤開発を担い、日本でばれいしょ、てんさい、小麦に発生するアブラムシ類を防除する殺虫剤として農薬登録を取得した。
「インスカリス」は新しい作用機構を有するピロペン系に属し、IRACコード9Dに属する唯一の有効成分。既存殺虫剤の作用機構に対して抵抗性を持つアブラムシにも高い効果を発揮し、抵抗性マネージメントに有用。また、DC製剤に含まれている界面活性剤の効果により、散布後、葉面上で十分に広がり、しっかり付着できる。優れた拡展性に加え、植物葉組織内への優れた浸達性は、インスカリスが速やかに葉内に取り込まれ、速効的なアブラムシ類の吸汁阻害が可能。さらに拡展性、浸達性に加え、耐雨性もあり、効果が持続、長期残効性を示す。
販売開始にあたり、BASFジャパン アグロソリューション事業部マーケティング部の野田信介部長は「BASFはこれからも生産者が、少ない環境負荷で効果的に病害虫防除を行えるよう、新たな技術開発を続けてまいります」と話している。
農林水産省が持続可能な食料システムの構築を目指して策定した「みどりの食料システム戦略」は、環境負荷を軽減するイノベーションを推進しており、既存の農薬から「低リスク農薬への転換」を促している。ハチ類や有用昆虫への影響が少なく、魚類、鳥類への高い安全性を有する「セフィーナDC」は、持続可能な農業における害虫防除の新たな手段となることが期待される。
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