「みどりの食料システム戦略」実現へ 水稲生産でソリューション提供 BASF2023年3月2日
BASFジャパンは、農林水産省が策定する、水稲生産における「みどりの食料システム戦略」の実現に向けてソリューションの提供を強化。可変施肥マップ生成による施肥最適化のサポートや、病害虫発生予測にもとづく農薬の適期防除推奨と可変散布による適期適所散布の推進など、持続可能な農業を支える技術を開発していく。
バサグラン・エアー1キロ粒剤
BASFは農薬事業に加え、JA全農との協業により2021年4月にリリースしたAIベースの栽培管理デジタルプラットフォーム「xarvio FIELDMANAGER(ザルビオ フィールドマネージャー)」を組み合わせた新たなソリューションを提供。生産者レベルでのみどりの食料システム戦略の実現を後押しする。また、可変施肥による化学肥料使用量の低減、農薬の適期・適所散布による環境負荷の低減、持続可能な農業のための技術開発の3つの面から生産者をサポートする。
可変施肥マップ生成により施肥最適化をサポート
みどりの食料システム戦略では、2050年までに輸入原料や化石燃料を原料とした化学肥料の使用量の30%低減を目指している。「xarvio FIELDMANAGER」は、毎日自動で衛星画像解析が行われ、ほ場ごとの生育マップや地力マップが簡単に入手が可能。これらをもとに作成した可変施肥マップをUSBで農機に取り込めば、生育ムラや地力ムラに合わせた施肥量を自動で調節できる。特別な機器や解析ソフトを導入することなく、可変施肥マップを初心者でも簡単に作成できる革新的なソリューションで、対象作物は水稲・大豆・麦のほか、キャベツ、たまねぎ、とうもろこし、てんさい、ばれいしょなど全18種と多岐にわたる。同社は今後、さらに対応農機の拡大や地域・作物ごとの検証を重ね、生産者の効率的かつ効果的な栽培をサポートするため、本技術の普及を加速させる。
「xarvio FIELDMANAGER」は、生育予測機能や病害アラート機能を搭載しており、品種や薬剤の使用履歴などから、ほ場ごとの防除管理をサポート。ほ場1枚1枚の状況を考慮した適期防除をより効果的かつ効率的に行える。また、ほ場ごとの生育マップなどを基に、可変散布マップを簡便に作成でき、これらの機能を包括的に活用することで、農薬使用の適正化を提案する。
各予測モデルは、全国で行っている検証試験結果を基に、定期的にアップデートし精度を向上。新機能として「水稲の雑草管理をサポートする機能」の実装を4月に予定している。
持続可能な農業を支える技術開発
水稲生産において、使用量が最も多く、削減が難しいのが除草剤。生産規模の拡大が進むと、労力低減のために使用量が増えるケースもある。BASFが提供する「バサグラン」は落水散布によって高い効果が発揮されるため、スポット散布により使用量を削減する。
4月1日には、無人航空機等での散布に適した新たな水稲除草剤「バサグラン・エアー1キロ粒剤」を上市。また、「バスタ液剤」は、2022年7から水田畦畔での高濃度少水量散布が可能になり、薬剤散布水量を従来の3分の1に削減。散布にかかる労力および作業時間を大幅に軽減する。
今後さらに、ニーズの高まるドローンの活用、自動操舵システムによる防除に適応した少水量散布技術や、デジタルセンシング技術を活用したスポット散布などのスマートスプレーソリューションの技術開発にも注力していく。
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