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新規殺虫剤「セフィーナDC」販売に合わせ大村智博士のトークセッション BASFジャパン2023年3月2日

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BASFジャパンは3月1日、アブラムシ類を防除する新規殺虫剤「セフィーナDC」の発売に合わせて札幌市で製品発表とともにノーベル生理学・医学賞を受賞した大村智博士を招いたトークセッションなどを開催した。

BASF講演会に大村博士.jpg大村智博士を招いて行われたトークセッションの様子(札幌市)

「セフィーナDC」は、アブラムシ類に対して優れた防除効果を発揮する新規殺虫剤。有効成分のインスカリス(化合物名:アフィドピロペン)は、天然糸状菌の発酵産物をもとに、大村智博士をリーダーとする北里研究所の大村グループと株式会社MMAGが共同で発見、BASFが製剤開発を担い、農薬登録した。

1日は製品を先行販売する北海道の札幌市で製品発表会と記念講演会が開かれ、BASFジャパンの石田博基代表取締役社長は「新しい製品は天然物由来の有効成分で高い安全性を有し、環境負荷の少ない殺虫剤です。北海道でてんさい、ばれいしょ、小麦を中心にアブラムシから確実に守り、北海道の農業を少しでも元気にしたいと思います」などとあいさつを述べた。

このあと北里大学大村智記念研究所所長の砂塚敏明博士が「微生物が人類を救う」と題して記念講演をしたのに続き、大村博士を招いたトークセッションが開かれた。

大村博士は新製品の販売に関連して「これまで微生物から学びながらいろいろなことに取り組んできました。微生物を生活に役立てられることはいっぱいあります」などと、これまで自然や微生物に向き合ってきたことが製品にも生かされたことを紹介した。

また、小学生のときから父親の農作業を手伝っていた経験に触れて、「特に堆肥づくりが頭に残っています。堆肥が熱をもってくることなど父親から教わりました」と述べたうえで、「自然に親しみ、微生物に親しんだことが成長につながります。自然に親しむことはあらゆる学問や文化のもとです」と強調した。

さらに研究に加えて研究所の経営も両立させた秘訣を問われたのに対し、幕末の備中松山潘で藩政改革に取り組んだ山田方谷の「至誠惻怛(しせいそくだつ)」の言葉を紹介し、「思いやりの心をもって人に接すると人はついてくるし必ずうまくいくという。大変参考になります」などと述べ、この言葉を色紙などにも書いて経営にも取り組んできたエピソードを語った。

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