新規殺虫剤有効成分「Axalion」新しい作用機構に分類 BASF2023年6月30日
ドイツのBASF本社は、最新の殺虫剤で有効成分「Axalion(アクサリオン」(有効成分名:ジンプロピリダズ)が、殺虫剤抵抗性対策委員会(IRAC)によって、新規の作用機構として分類されたことを発表。生産者から待望の抵抗性マネジメントツールを提供する。
BASFが独自開発した「Axalion」は、昆虫に特異的な弦音器官の新たな部位に作用する新しい「グループ36」の唯一の薬剤。吸汁性害虫を標的とした殺虫剤がIRACの新しい作用機構に分類されるのは2015年以来8年ぶりとなる。
「Axalion」は、果樹、野菜、畑作物などの幅広い作物を、吸汁性害虫の被害から守る。ラベルに記載の使用方法に従って散布することで、有益昆虫や花粉媒介昆虫に悪影響を及ぼさずに既存の薬剤に抵抗性を持つ害虫にも効果を発揮。豪州ではすでに販売されており、近い将来、アジア太平洋地域、欧州、南米でも利用できるようになる。
IRAC の新規グループ36で唯一の薬剤となった「Axalion」は、虫の聴覚、方向感覚、平衡感覚を司る微小感覚器官、弦音伸張受容器官の機能を速やかに阻害。これらの器官の機能が阻害されると、対象害虫はバランス感覚を失い摂食やウイルスの媒介ができなくなる。
BASFアグロソリューション事業本部の殺虫剤研究担当バイスプレジデントのハロルド・バスティアンス氏は「Axalionのような新しい作用機構は、殺虫剤への抵抗性マネジメントに貢献し、生産者が対象害虫の防除をより柔軟に行えるようになる」とコメントしている。
IRACは殺虫剤抵抗性に関する情報交換や教育を促し、薬剤の有効性を維持しながら持続可能な農業と公衆衛生の向上を支援するため、抵抗性管理の戦略を開発・促進することを目的として、農薬業界によって設立された国際組織。
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