第93回通常総会を開催 新ビジョン公表と団体名変更 クロップライフジャパン2024年5月16日
農薬工業会は5月15日、茅場町の鉄鋼会館で第93回通常総会を開き、2023年度事業報告および2024年度事業計画案を承認し、役員選任を行った。
右から岩田副会長、的場副会長、小澤会長、藤本副会長、松浦常勤理事、廣岡事務局長
■2023年度JCPA農薬工業会事業報告
2023年度は、作物保護の視点を入れ、外部環境変化も考慮したビジョンのリニューアルの検討と業界イメージ向上への取組、農薬取締法等農薬規制に関する諸課題への的確な対応、安全・広報活動の戦略的推進と科学・情報リテラシーの向上を目指した積極的情報発信、スチュワードシップ活動の推進及びコンプライアンスの確保、農薬業界のグローバル化に呼応した活動推進の5つの重点事業計画に沿って展開された。
特に安全・広報活動の戦略的推進では、一般消費者への活動として、SNSを活用し、若年層を対象に農薬プラスイメージの発信を実施。クイズ王伊沢氏が率いる知識集団QuizKnockとコラボし、YouTube動画及びWEB記事を11/28に公開し、2か月で72万件のアクセスがあった。「農薬の正しい知識を得ることで、分からない不安を分かる安心に変えていくことが大事」ということを知ってもらうことに努めた。
また、動画ツールの活用促進として、新作動画2本を動画ギャラリーに追加し、新作動画及び既存動画(役割編、安全性編)の視聴者数増加のための拡散施策を行った。視聴者に対するクイズ及びアンケートにより、農薬のイメージ向上につなげた。
■新たなビジョンと名称について
国内では食料・農業・農村基本法改正案等が国会にて審議され、食料安全保障の強化、持続可能な農業への変革が求められてる。グローバルにはロシアのウクライナ侵攻等を発端とした食料安定供給リスクの顕在化、カーボンニュートラルの取組が進む。
食料・農業をめぐる情勢の変化、会員の事業活動の拡大を踏まえ、日本と世界の食と農業へ貢献するため、新たなビジョンを策定した。詳細は下記の通り。
◎NEW VISION
将来のありたい姿=目標
私たちは
1.日本と世界の食料安全保障、持続可能な農業に貢献します
2.環境にやさしいイノベーションを推進します
3.安全の先にある安心な食生活を楽しめる社会を目指します
活動指針=目標を実現する方法
(1)日本の農業生産性向上と農産物の輸出拡大、世界の農産物需要に対応した作物保護技術を提供します
(2)環境を守るための技術革新とカーボンニュートラルに取り組みます
(3)社会の信頼を確保するため、適正な農薬使用の推進と科学的な情報発信を行います
(4)上記活動の核となるイノベーションを創出する人材の育成に努めます
また、新たなビジョンにそって、下記の通り事業目的等の変更を行った。
「本会は農薬をはじめとする作物保護関連事業の円滑且つ健全な発展を図るとともに、透明性と公正性に基づいた事業活動を展開し、日本と世界の食と農業に貢献することを目的とする。」
また、事業目的等の変更を踏まえ名称のあり方について検討し、ビジョンの見直しに合わせ、グローバルな潮流を踏まえて、会の名称を「クロップライフジャパン(英名 CropLifeJAPAN)」とした。
■2024年度クロップライフジャパン事業計画
◎重点事業計画
(1)日本の農業生産性向上と農産物の輸出拡大、世界の農産物需要に対応した作物保護技術を提供する
(2)環境を守るための技術革新とカーボンニュートラルに取り組む
(3)社会の信頼を確保するため、適正な農薬使用の推進と科学的な情報を発信する
(4)人材の育成、資質向上に努める
◎2024年度クロップライフジャパン役員体制(5月16日付・敬称略)
▽会長 小澤敏(三井化学クロップ&ライフソリューション株式会社 特別顧問)
▽副会長 的場稔(シンジェンタジャパン株式会社 代表取締役会長)
▽副会長 藤本博明(住友化学株式会社 常務執行役員)
▽副会長 岩田浩幸(日本農薬株式会社 代表取締役社長)
▽常勤理事 松浦克浩(クロップライフジャパン 専務理事)
記者会見終了後には講演会と懇親会が行われ、約100名が参加し盛況のうちに幕を閉じた。
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