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農薬:現場で役立つ農薬の基礎知識 2014

【現場で役立つ農薬の基礎知識 2014】[7]リンゴの病害虫防除のポイント 木村佳子・青森県産業技術センターりんご研究所研究管理員2014年5月22日

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・殺菌剤の選択と使用上のポイントモニリア病、黒星病、斑点落葉病、炭疽病
・殺虫剤の選択と使用上のポイントハマキムシ類、モモシンクイガ、アブラムシ類、ハダニ類

 青森県のリンゴでは薬剤散布が「展葉1週間後頃」から始まり、「8月末」まで10回実施される(本文末表1)。青森県リンゴ病害虫防除暦では、20種類ほどの病害虫を防除対象としているが、ここでは主要な病害虫について防除のポイントを解説する。なお、薬剤の適用表を表2、表3、表4(本文末)に示したので、参照していただきたい。

【殺菌剤の選択と使用上のポイント】

◆モニリア病

 「展葉1週間後頃」に葉腐れ病斑の拡大抑制と分生子の形成抑制効果のあるベフランを散布し、「開花直前」に分生子形成阻止と柱頭感染防止のため、EBI単剤を散布する。実腐れや株腐れは見つけ次第摘み取り、適切に処分することが大切である。

◆黒星病

黒星病。最初に淡黄色の小斑点があらわれ、その後、墨がにじんだような病斑に変わる 最も重要な防除時期は子のう胞子が多く飛散する「開花直前」、「落花直後」、「落花15日後頃」である。「開花直前」にはEBI単剤を、また「落花直後」と「落花15日後頃」にはEBI混合剤のうちのいずれかを散布する。散布間隔が開きすぎないようにすることが大切である。「6月中旬」以降は斑点落葉病に準じて実施する。

(写真)
黒星病。最初に淡黄色の小斑点があらわれ、その後、墨がにじんだような病斑に変わる

 

◆斑点落葉病

斑点落葉病。円形の斑点が次第に拡大していく 分生子の飛散は5月から始まり、9月まで続く。初期病斑は5月下旬頃から形成される。防除剤は「落花直後」から「8月末」まで散布するが、「落花直後」と「落花15日後頃」は黒星病の防除に準じる。「6月中旬」から「8月末」までは、プラウ、アントラコール、ユニックスZ、チウラム剤、ジマンダイセン、有機銅剤、オキシラン、アリエッティC、ダイパワー、フリント、ストロビー、ナリア、ベフランのいずれかを選択し、15日間隔で散布する。急増が懸念される場合、ユニックス顆粒またはポリオキシンALを特別散布する。なお、同一系統の薬剤であるフリント、ストロビー、ナリアは薬剤耐性の懸念があるので、年2回以内の使用とする。

(写真)
斑点落葉病。円形の斑点が次第に拡大していく

 

◆炭疽病

 分生子の飛散は6月中旬頃から10月頃まで続く。防除時期は「6月中旬」から「8月末」までで、斑点落葉病防除剤の中から本病にも有効な薬剤を選択する。なお、ベフランは炭疽病に効果がないので注意する。また、発生の多い所や多発が懸念される場合にはジマンダイセン、ユニックスZ、有機銅剤、オキシラン、フリント、ナリアのいずれかを選択する。

 

【殺虫剤の選択と使用上のポイント】

◆ハマキムシ類

 ミダレカクモンハマキとリンゴコカクモンハマキが主な防除対象である。ミダレカクモンハマキは越冬卵からふ化した幼虫を防除するため、「開花直前」と「落花直後」の二回、IGR剤(ロムダン、カスケード、アタブロン)、BT剤のいずれかを選択し、同一薬剤を連続して散布する。
 リンゴコカクモンハマキの越冬世代幼虫の防除は「落花直後」にIGR剤(カスケード、アタブロン)のいずれかを散布する。第一世代幼虫を防除する場合、フェロモントラップの誘引消長から防除時期を予測してジアミド剤を散布する。一般的に第一世代幼虫の防除時期は7月中旬頃となる。リンゴコカクモンハマキは薬剤抵抗性が発達しやすいので、ジアミド剤は本種の防除時期以外の時期には使用しない。
 なお、「展葉1週間後頃」にはミダレカクモンハマキとリンゴカクモンハマキ以外のハマキムシ類を対象に、ダーズバンDFを散布する。

 

◆モモシンクイガ

モモシンクイガの幼虫と、果実の外に排出された糞 成虫は6月上旬から発生し、産卵は6月中旬から始まり、9月上旬まで連続的に続く。このため、「6月中旬」から「8月末」まで毎回、防除剤を散布する。なお、発生が多い「7月初め」にはピレスロイド剤を散布する。この際、幼虫の食入阻止効果の高いバイスロイド、サイハロン、イカズチのいずれかを使用した場合は、次回の本種防除剤を省略することができる。

(写真)
モモシンクイガの幼虫と、果実の外に排出された糞

 

◆アブラムシ類

リンゴアブラムシによる葉巻被害 6月になるとユキヤナギアブラムシやリンゴミドリアブラムシが伸長中の新梢先端部に寄生して増加する。6月以降、アブラムシの発生状況に応じて、ウララ、キラップ、ネオニコチノイド剤のいずれかを散布する。アブラムシ類は新梢の伸長が止まると自然に発生が少なくなるので、いつまでも新梢が伸び続けるような管理をしないようにする。

(写真)
リンゴアブラムシによる葉巻被害

 

◆ハダニ類

リンゴハダニの雌成虫と夏季の卵 リンゴハダニとナミハダニが防除対象である。リンゴハダニの越冬卵を対象に「展葉1週間後頃」にマシン油を散布する。開花期にリンゴハダニの多い園地では「落花直後」にバロックを散布する。通常、マシン油を散布した場合には「落花直後」の対策は必要ない。 「落花15日後頃」以降は、リンゴハダニ及びナミハダニの発生状況に応じて殺ダニ剤を散布する。殺ダニ剤によって効果のあるハダニ類が異なるので、注意して選択する。

(写真)
リンゴハダニの雌成虫と夏季の卵

 

 

 表1 青森県りんご病害虫防除暦における時期別の対象病害虫 

 表2 青森県で指導している各種病害に対する防除剤(2014年) 

 表3 青森県で指導している各種害虫に対する防除剤(2014年) 

 表4 青森県で指導しているハダニ類に対する防除剤(2014年) 

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