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農薬:防除学習帖

【防除学習帖】第17回 害虫の防除方法(化学的防除・2)2019年9月6日

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 前回の神経に作用する殺虫剤の続きを紹介する。

(c)シナプス部位のニコチン性アセチルコリン受容体活性化と神経伝達遮断作用
 シナプス後膜にあるアセチルコリンを受け止める受容体に殺虫成分がアセチルコリンに代わって結合し、一旦は興奮の信号を過剰に伝える。
 その後、興奮を伝える神経伝達を遮断してしまう。この結果、害虫は全身的な麻痺症状を起こし、まもなく動かなくなって死に至る。このため、害虫がセミの抜け殻のように作物にしがみついたまま死んでいる場合もある。

◎この作用を示す殺虫剤
・ネオニコチノイド系(商品名:アドマイヤー、アクタラ、スタークル、ダントツ、バリアード、ベストガード、モスピラン)
・スルホキイミン系(商品名:トランスフォーム、エクシード)

(d)シナプス部位のニコチン性アセチルコリン受容体の神経伝達遮断
 シナプス後膜にあるアセリルコリン受容体受容体に殺虫成分が結合し、興奮性の刺激を遮断して伝達できなくする。この結果、害虫に麻痺症状が起こって動けなくなって死に至る。

◎この作用を示す殺虫剤
・ネライストキシン類縁体(商品名:パダン、エビセクト、ルーバン)

(e)シナプス部位のGABA受容体の塩素イオンチャネル阻害
 シナプス後膜にあって抑制性の神経伝達を司るGABA受容体に殺虫成分が結合し、抑制性の神経伝達(塩素イオンチャネル)を遮断する。この結果、害虫は抑制が効かなくなって刺激性の神経伝達をコントロールできなくなり、異常興奮を起こして死に至る。

◎この作用を示す殺虫剤
・フェニルプラゾール系(商品名:プリンス、キラップ)

(f)神経軸索ナトリウムチャネルの継続的解放
 神経軸索にあって刺激性の神経伝達を果たす役割を果たすナトリウムチャネルに殺虫成分が作用し、正常な神経伝達をできなくさせ、異常な興奮状態にさせる。この結果、害虫は痙攣を起こし、その後麻痺状態となって死に至る。

◎この作用を示す殺虫剤
・ピレスロイド系(商品名:アーデント、アグロスリン、アディオン、サイハロン、シクロサール、スカウト、テルスター、トレボン、フォース、ペイオフ、マブリック、ロディー、除虫菊)

(g)神経軸索ナトリウムチャネルの活性阻害
 神経軸索にあって刺激性の神経伝達を果たす役割を果たすナトリウムチャネルに殺虫成分が作用し、興奮性の神経伝達をできなくさせる。この結果、害虫は麻痺症状を起こして死に至る。

◎この作用を示す殺虫剤
・オキサジアジン系(商品名:トルネード)、セミカルバゾン系(商品名:アクセル)
 
(h)弦音器官の機能攪乱
 平行感覚や重力、加速感、聴覚といった害虫が行動するために必要な感覚を司る弦音器官に殺虫成分が作用し、弦音器官を攪乱させる。この結果、害虫は摂食行動やその他の運動が正常に行われなくなり死に至る。

◎この作用を示す殺虫剤
・ピリジンアゾメチン誘導体(商品名:コルト、チェス)、フロニカミド(商品名:ウララ)

(i)オクトパミン受容体の活性化
 外敵や異常な温度変化などストレスから身を守ろうとするときに活性化する交換神経系に殺虫成分が作用し、過度な刺激を繰り返し与え、ショック症状を起こして死に至る。

◎この作用を示す殺虫剤
・アミトラズ(商品名:ダニカット)


(2)神経系および筋肉系に作用するもの

 害虫の神経だけでなく、筋肉にも神経伝達部位は存在する。以下に示す殺虫剤は、神経系にも筋肉系にも作用して殺虫効果を示すため低濃度で効果の高いものが多い。

(a)シナプス部位のGABA受容体やグルタミン酸受容体活性化
 抑制性の神経伝達を担う塩素イオンチャネルを活性化し、抑制性の刺激を過度に伝達する。この結果、害虫は麻痺状態に陥って死に至る。

◎この作用を示す殺虫剤
・マクロライド系(商品名:アファーム、アグリメック、コロマイト、ミルベノック、アニキ)

(b)カルシウムイオンチャネルの継続的解放
 神経細胞や筋肉細胞にはカルシウムイオンを貯蔵する部位があり、そこからカルシウムイオンを放出させる働きをする部位に殺虫成分が作用し、カルシウムイオン放出の邪魔をする。この結果、害虫の細胞内のカルシウムイオン濃度を上昇し続け、体収縮やエネルギーの過度な消耗が起こり、死に至る。

◎この作用を示す殺虫剤
・ジアミド系(商品名:エクシレル、サムコル、テッパン、パディート、フェニックス、フェルテラ、プレバソン、ベネビア、ベリマーク)

(次回に続く)


本シリーズの記事一覧は下記リンクよりご覧下さい。
【防除学習帖】

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