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農薬:防除学習帖

【防除学習帖】第45回 水田における散布方法22020年3月27日

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 前回、空中散布法の特徴を紹介した。今回は、主に地上散布に使われる剤型を中心にその散布方法の特徴を紹介するので、選択の際の参考にしてほしい。

 1.粉剤
 粉剤は、クレイなどの基質に農薬の有効成分を吸着させてつくられた最も単純な製剤で殺菌剤や殺虫剤、殺虫殺菌剤がある。粉立ちが激しく、昔の水田では、防除が始まると辺り一面が浮遊する粉剤で真っ白になるほどであった。現在は、粉剤よりも粒径が大きくドリフトが少ないDL粉剤が使用されているが、それでも粉立ちはする。
 粉剤自体は、病害や害虫に直接有効成分を付着させやすいため、散布さえ確実に行われれば効果が高い方法である。しかし、散布労力の面とドリフトなど環境への影響の面から、最近は敬遠されることが多い散布方法だ。このため、中山間など、人家から離れたところに水田があり、面積も小さく、比較的平坦な場所で使われることが多い。
 粉剤の散布は、ナイアガラホース(ナイアガラの滝にように粉剤を下方に吐出するポリ製のホース)をつないだ動力散粉機を背負い、ホースを畦畔と畦畔の間に這わせるようにして散布する。
 ホースが長い場合は、ホースの真ん中が必要以上に盛り上がってしまうことから、散布者とホースの端を持つ人との間でホースを持って抑える「中持ち」と呼ばれる作業者が必要になる。この中持ち者は、粉まみれになり、水田の中を歩行しなければならないため、大変重労働であり、つらい作業を強いられる。

2.粒剤
 粒剤は、粉立ちが無く薬剤が空気中を浮遊することがないのでドリフトが少なく、環境影響の少ない散布ができる。除草剤をはじめ、殺虫剤や殺菌剤にもある。ただし、殺菌剤や殺虫剤の場合は、散布された粒剤の有効成分が根から吸収されて効果を発揮することになるため、浸透移行性のある有効成分でないと粒剤にはできない。
 粒剤の散布方法には次のようなものがある。

(1)散粒ホースや畦畔噴頭を装着した動力散粒機
 粉剤と同様に水田内にホースを這わして散布する。粉剤のような粉立ちがなく、ドリフトの少ない散布ができる。重い散粒機を背負うことになるため、体力が必要な散布方法である。
 畦畔噴頭の場合は、動力散粒機を背負って畦畔沿いを歩いて散布するので、労力はかかるが比較的短時間に散布が終了する。粒剤が飛ぶ距離は、製剤と使用する機械の組み合わせで異なってくるので、事前によく確認しておく。

(2)田植同時散布機での散布
 近年の田植機では、田植えと同時に施肥や防除を行う装置を実装したものがあるので、田植え同時散布が可能な除草剤や殺虫、殺菌剤を田植えと同時に粒剤散布が可能になっている。田植え作業自体は、植え付け状況の確認の他、苗の残数、肥料の残量、農薬の残量を確認しながら行うため忙しく神経を使う。しかし、従来は田植えとは別に複数回行っていた施肥や防除作業が、田植えと同時に一度で済むため、経営面積が大きな場合には労力軽減策の一つとして大きな力を発揮する。

(3)乗用管理機での散布
 従来は、畦畔等から本田内に向けて散布か、広い水田では田の中に足を踏み入れて散布していたが、乗用管理機が登場し、水田内を走行することで均一な散布ができるようになった。散布労力は楽だが、散布時間については、水田の一辺を粒剤ホースがカバーできる長さであれば、粒剤ホースでの散布の方が早く済む。
 経営規模と労力の面をよく考慮して選択する必要がある。

(4)1キロ粒剤と3キロ粒剤
 除草剤の1キロ粒剤が登場する前までは、粒剤の主流は10aあたり3kgの製剤を散布する3キロ粒剤が主流だった。これが1ケース重量24kgが重く運びにくいことから、1ケース12kgの1キロ粒剤に変更された。1キロ粒剤になることにより、3kg粒剤に比べ、単位面積あたりの投下粒数が少なくなり、1キロ粒剤にするためには、1粒でより広い面積をカバーするよう、粒剤自体に拡散性を持たせた製剤になっている。このため、1キロ粒剤であっても均一散布が基本ではあるが、ある程度の散布ムラも製剤の拡散性がカバーしてくれるため効果も安定する。ただし、拡散は水を介して起こるので、散布時には湛水状態が確保されていることが必要である。

3.水に希釈、または原液で散布する製剤

 水和剤、顆粒水和剤、フロアブル剤、乳剤などがあり、水に希釈するかあるいは原液を液状のまま散布する。霧状にスプレーする場合は、霧状の薬液が風に乗ってほ場外へ飛散(ドリフト)するリスクが高まるので注意が必要だ。

(1)水に希釈して霧状に噴霧する方法
 主に殺虫剤や殺菌剤、殺虫殺菌剤を散布する際に使われる。製剤を規定どおりに水に希釈して散布液を作り、背負式動力噴霧機やセット動噴(鉄砲ノズル)、乗用管理機を使って散布する。
 噴霧機で使用するノズルは、水滴が細かいホーン型のノズルが装着されているが、水滴を大きくすることでドリフトを減らすことができる「霧無しノズル」もあるので、有機野菜のほ場が近くにあるなど、特にドリフトに注意が必要な場合には、積極的に活用すると良い。

(2)原液を散布する方法
 主にフロアブル除草剤を散布する際に使われる。ボトルに入った製剤をしっかりと振って均一に混和し、10aあたり500mlを散布するのが一般的だ。フロアブル除草剤は湛水状態で拡散するように作られており、湛水状態の水田に畦畔周りから手で振り入れたり、ラジコンボートでの滴下散布、水入れの際の水口散布など様々な省力的散布ができる。
 また、田植え同時散布が可能なフロアブル除草剤であれば、薬剤滴下装置付き田植機での田植同時散布も可能である。

 
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