農薬:防除学習帖
野菜の病害防除10【防除学習帖】第56回2020年6月19日
8.黒斑病(アルタナリア菌)
(1)病原菌
ア.菌種病原菌(Alternaria)は、不完全菌類に属する糸状菌(かび)である。高温での発生が多く、大量の分生胞子で増殖する。
イ.病徴淡褐色~褐色の同心円状の斑点を形成することが多い。症状については、作物ごとに異なるので、下表で確認してほしい。
ウ.被害葉や茎に発生した病斑により、光合成阻害や葉の活力低下、養分の移動を阻害し、生育不良、収量・品質の低下を引き起こす。特に果実に発生した場合、大きな品質低下を起こす。
(2)生活環
被害茎葉とともに土中で越冬し、翌年多湿条件が整うと、被害茎葉内で生き残った菌が分生胞子を発生させ、周囲に拡散する。また、種子表面に付着して越冬することもあるので、自家採種の場合は種子消毒などの対策を徹底する。
(3)防除法
ア.耕種的防除
(1)被害残渣を圃場に残さず、ほ場外に出して処分する。野焼きが可能な地域ならば焼却処分する。
(2)肥料切れにならないよう適正施肥を徹底する。
(3)高温多湿を好むので、風通しが良くなるように管理する。
イ.化学的防除
(1)効果のある有効成分主要な効果のある有効成分は以下のとおりである。効率的に防除するには、予防効果のある薬剤の定期散布を基本とし、病害が発生したら、発生初期のまだ病害が少ないうちに治療効果のある薬剤を使用して徹底防除を行うとよい。
(2)作物別有効薬剤黒斑病および輪紋病に登録のある農薬の使用方法、適用作物を別表に示したので参考にしてほしい。表は選択する際の参考となるよう最小限の情報のみを記載しているので、実際の使用にあたっては、事前に農薬ラベルをよく確認して使用してほしい。
野菜の黒斑病等アルタナリア菌病登録農薬一覧
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