農薬:防除学習帖
野菜の害虫防除7 土壌センチュウ類【防除学習帖】第72回2020年10月9日
野菜の害虫被害は、地上部では、目ですぐに確認できるためわかりやすいが、土壌を介してやってきた害虫による被害は見えない土壌中で起こっているためわかりにくい。
ただ、害虫による土壌中での加害は根に直接行われるため、根の機能が大きく低下し、作物の正常な生育を大きく阻害する。病害や茎葉に加害が認められないのに、何となく生育が悪かったり、日中しおれたり、葉色が悪かったりした場合は、根に障害がある場合が多い。その根の被害の代表が今回紹介するセンチュウ類だ。
1.野菜類に発生する主な土壌センチュウ類
野菜に発生し被害の大きい土壌センチュウ類は、大きく分けてネコブセンチュウとネグサレセンチュウの2つである。
いずれも広範な野菜に発生し、作物の根に尖った口で食い入り、根の内容物を食べて生育する。その結果、ネコブセンチュウは根にこぶ状の塊をつくり、ネグサレセンチュウは根が腐ったような状態にして、根の活力を大きく低下させる。
それぞれの特性を下表に整理した。
表1:野菜に発生する土壌センチュウ類
2.被害
センチュウ類の被害は、センチュウの幼虫が作物の根に食い入り内容物を食害することで根を痛め、活力を低下させる。その結果、根の発育・充実が抑えられ、十分な養分吸収ができなくなって、作物の全体の生育が悪くなり、収量、品質が低下する。また、日中しおれたり、葉が黄化したり、土壌病害の発生を助長するといった被害が起こる。
特に根菜類では、根部に直接的な被害が起こるため、亀裂や褐変といった著しい商品価値の低下を招く。
3.防除法
土壌センチュウ類は、土壌中での密度と被害が正比例するため、できるだけ土壌中のセンチュウ密度を低下させるように努力する。耕種的防除と薬剤防除を組み合わせた総合防除を行うことが基本である。
土壌中のセンチュウ密度があまりに多いと防除が困難となるので、被害が多くなってきている場合は、徹底した土壌消毒を実施し、土壌中のセンチュウを一掃するとよい。
(1) 耕種的防除法
ア.輪作:連作を避け、発生センチュウの寄生性が異なる作物との輪作を行う。
イ.被害残渣の除去:被害残渣にはセンチュウが残っているのでほ場外に出して適切に処分する。
ウ.堆肥の施用:堆肥を大量投入して土壌改善することでとセンチュウの数を減らせる。
エ.対抗植物の植生:マリゴールドはネグサレセンチュウ、コブトリソウはネコブセンチュウの密度を低下させる効果があるので、混植や前作で植生する。
オ.太陽熱消毒:太陽熱消毒や土壌還元消毒を行うことで、土壌中のセンチュウを死滅させ、センチュウ密度を低下させることができる。
カ.天敵資材の利用:パスツーリア ペネトランス水和剤を利用する。
(2)薬剤防除
土壌センチュウ類の薬剤防除は、土壌消毒剤の施用か殺センチュウ粒剤の土壌施用に限られる。
土壌消毒剤は、用法・用量を守り適切に使用する。
土壌粒剤は、土壌中でセンチュウと接触してはじめて効果を現す。このため、土壌センチュウが薬剤に接触する機会を増やすように、土壌混和を丁寧に行って作物の根圏のまわりに均一に土壌センチュウ粒剤が存在することが肝要である。こうすることで土壌センチュウ剤の効果が安定する。
表2:土壌センチュウに適用のある主な有効成分一覧
表3:土壌センチュウ防除剤一覧(クリックでPDFをダウンロード)
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