農薬:防除学習帖
野菜の害虫防除10 甲虫目【防除学習帖】第75回2020年10月30日
甲虫目とはいわゆるコガネムシ系の害虫で、小さいもので2mm程度のものから、大きなもので25mmのものまで様々である。被害を受ける野菜も多いが、害虫によっては好みの作物にのみ加害するものもいる。甲虫目の被害は、成虫と幼虫のどちらも被害を起こすことから、被害も大きく、特に根菜類は直接的な被害を受けるので、確実な防除が必要である。
以下、これらの甲虫目の特徴と防除法を整理した。
1.野菜類に発生する主な甲虫目
野菜に発生し被害の大きい甲虫目は、ドウガネブイブイ、ヒメコガネ、アカビロウドコガネ、オオニジュウヤホシテントウ、ニジュウヤホシテントウ、キスジノミハムシの5種である。以下、それらの生態や被害の様子を整理したので参考にしてほしい。
なお、登録農薬一覧には、これら以外の甲虫目害虫も掲載したので参考にしてほしい。
2.被害
甲虫目の被害は、成虫と幼虫の両方の食害によって起こるため、被害が大きくなる。
ドウガネブイブイ、ヒメコガネ、アカビロウドコガネの成虫による被害は、葉を加害し、葉の能力を低下させ、発生が多いと収量・品質を引き起こす。
幼虫による被害は、作物の根を加害して生育抑制を起こす。特に根菜類では、表皮がかじられるため商品価値が大きく低下する。特に、イチゴでは苗床での加害が多く、生育不良となって、ひどい場合には枯死させ、被害が大きい。
オオニジュウヤホシテントウやニジュウヤホシテントウはテントウムシダマシ類とも呼ばれる草食性のテントウムシでバレイショなどの大害虫である。これらの被害は、成虫と幼虫が葉を加害することによって起こり、表皮と葉脈を残し網目状に食害することが特徴である。作物の葉は食害されたあと褐変し、やがて枯死する。このため、生育遅延などの生育不良を起こし、大きく収量が減少し、品質も悪くなる。
キスジノミハムシの成虫の被害は、葉を加害し1mm前後の丸い食痕が一面に発生する。これによって、葉の活性が落ち、生育不良を引き起こす。発生が多いと株全体が枯死する。一方、幼虫は根部を加害し、サメ肌、ナメリ状、穿孔状の食害痕をつくる。根部が商品であるダイコンやカブなどは加害により著しく商品価値を損なう。ハクサイ、キャベツでは細根が出ず、生育不良、結球不良などを起こす。
3.防除法
甲虫目は、成虫、幼虫両方の被害が大きいため、できるだけ発生が少ないうちに徹底防除を行って、次世代を作らせないようにする必要がある。
甲虫目防除に効果的な耕種的防除法は無いため、もっぱら薬剤防除に頼ることになる。幼虫の場合は、土壌中にいる害虫を防除する必要があるので、殺虫粒剤の均一土壌混和やD-D剤による土壌消毒が有効である。特に発生が多いほ場では、土壌消毒によって一度害虫密度を低下させる必要がある。
成虫は、地上部の葉を加害するので、乳剤や水和剤等の茎葉散布を徹底する。一度産卵されると厄介なので、越冬成虫が出始めた初期の数が少ないうちに徹底防除を行う。時期になると次から次へと羽化してくるので、一定の間隔をおいて、定期的に散布する。
以下に、甲虫目に効果のある薬剤を列記したので参考にしてほしい。
また、作物別登録農薬も整理したので参考にしてほしい。実際の使用にあたっては、登録内容をよく確認し、適正使用に努めてほしい。
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