農薬:防除学習帖
畑地雑草の防除2【防除学習帖】第78回2020年11月20日
畑地除草剤は、処理方法によって大きく、土壌処理除草剤、茎葉処理除草剤、非選択性茎葉処理除草剤の3つに分けられる。
これらは主に除草成分(有効成分)の性格によって、処理方法や対象雑草が異なっている。
1.土壌処理剤
土壌処理剤は文字通り土壌に処理する除草剤で、土壌表面に均一に処理することが効果を安定させるコツである。そのため、乳剤や水和剤、フロアブルといった水に希釈して土壌全面に噴霧処理するタイプのものが多い。粒を細かくして土壌表面に隙間なくかつドリフトを少なく散布できる細粒剤がある。
2.草種別除草剤の選択
畑地には色々な雑草が生えるが、イネ科とそれ以外の広葉雑草に大きく分けられている。除草剤の成分によって、得意とする(効果の高い)雑草が異なっているので、自分の畑を観察して、イネ科が多いようであればイネ科が得意な除草剤を、広葉が多いようであれば広葉が得意な除草剤を選ぶようにすると効率が良い。一般的には両方生えることが多いので、イネ科と広葉の両方を枯らすことのできる混合剤が選ぶとより効率が良い。
いずれも雑草の発生前から発生始めのころまでに土壌表面に均一に処理し、処理後に発生してくる雑草を枯らす。土壌中の移行性は小さく、散布後に除草成分が横に広がっていくことはないので、散布された場所はしっかりと枯らしてくれるが、散布が漏れたところからは雑草が生えることになる。散布漏れが無いように均一に散布することが効果を安定させるコツである。
ただし、使用時期等の詳細は製品ごとのラベルをよく読んで正しく使用するよう心掛けてほしい。
(1)イネ科が得意な除草剤
代表的な除草剤は、アラクロール(ラッソー乳剤)、ペンディメタリン(ゴーゴーサン細粒剤・乳剤)、トリフルラリン(トレファノサイド粒剤・乳剤)、プロスルホカルブ(ボクサー)である。いすれも、イネ科以外の雑草でも効果があるものも多いので、後段の特性一覧を参考にしてほしい。
(2)広葉雑草が得意な除草剤
代表的な除草剤は、CAT(シマジン水和剤)、プロメトリン(ゲザガード水和剤)、リニュロン(ロロックス水和剤)である。これらには、イネ科にも効果のある除草剤があるので後段の特性一覧を参考にしてほしい。
(3)イネ科+広葉雑草が得意な除草剤
雑草の発生時期の違いはあっても、当然ながら畑にはイネ科雑草と広葉雑草の両方とも生えてくる。このため、除草剤としては、両方の雑草に聞いてくれるほうがより良いことになる。それを実現するのが、イネ科が得意な除草剤と広葉が得意な除草剤を混合した除草剤である。いずれの製品も、最も効率的に除草できるように成分を組み合わせてあるので、登録作物や所有している処理器具(剤型によって処理できる器具が異なる)などから自分にあった除草剤を選ぶようにすると良い。もちろん、製品のラベルをよく読んで、登録内容に沿って正しく使用するようにしてほしい。
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