農薬:防除学習帖
果樹の防除9 収穫期の防除【防除学習帖】第98回2021年4月16日
果樹は、ほとんどの樹種に防除暦があり、それに従って防除を行えば一定の防除効果が得られる。防除暦には、時期別(生育ステージ別)に重要な防除のコツが記されており、それらは、樹種別に地域における気象や病害虫雑草の発生状況をよく吟味して、最も安全に高い防除効果が得られ、品質の良い果樹が生産できるように作成されている。
これが果樹は防除暦に従って防除すれば安心であるという理由の1つである。
ここ数回に渡り、生育期の防除のポイントを紹介しているが、この生育期間中の時期については、防除暦それぞれで表記のしかたが微妙に異なることを承知しておいてほしい。実際に記載されている防除時期には○月△旬などと具体的に記載されていることが多いが、これは、その防除暦が対象とする地域に対応した時期であり、同じ樹種であっても異なる地域では合致しないこともあるので注意してほしい。これは、防除適期が樹種や地域の生育状況や病害虫の発生状況によって異なってくるためなので、本稿では具体的な月・旬は記載していない。実際の防除適期は、それぞれの地区は部会などで発行されている防除暦で確認するようにしてほしい。
1.収穫期の防除
夏が過ぎると収穫の秋を迎える。果樹にとってこの時期に加害されると果樹の品質に直接的な被害を与えるので、果実被害が起こらないように徹底した予防散布を心掛ける。
(1)収穫期防除の意義
前述したように、収穫期は、加害によって直接被害が起こるし、次年度に備えて、害虫であれば越冬場所へ移動したり、病害であれば寒さに強い耐久体を作るなどする時期である。加えて、収穫期は果樹を加害する主な病害虫が出揃っている時期でもあるので、これらの翌年の発生源となる越冬虫や病害伝染源をできるだけ減らすためにも、収穫期防除の意義がある。
翌年の発生源・伝染源が減ると、翌年の病害虫の発生密度が減り、防除しやすくなるので、防除暦にはそれを考慮して、収穫期前後に防除が記載されていることが多い。特に収穫後など一見不要に思われても、次年度の防除を効率よく行うために、防除暦に示された防除を徹底して行うようにしてほしい。
(2)注意事項
収穫期の散布は、収穫前使用日数を十分に注意する。果樹用の薬剤は、収穫前使用日数が長いものも多いので、可能な限り収穫前日まで使用できるものを選ぶようにすると良い。また、薬剤によっては果実に薬害や汚れを起こすものもあるので、薬剤の注意事項に十分に気を配って使用する。貯蔵病害のように、貯蔵後に発生する病害は、収穫直後には何ともなくとも、輸送中に発病して果実を腐敗させ、市場評価を大きく落とす原因にもなる。貯蔵病害を防ぐには、収穫後に散布する薬剤(ポストハーベスト)は無いので、貯蔵病害が果実に感染しないよう収穫前までに徹底して予防散布する必要がある。
(3)収穫期の病害虫と防除法
収穫期には、主に春から夏に発生した害虫が世代を重ねて発生してくるので、特にシンクイムシ類やカメムシ類など果実に直接被害を起こす害虫に注意しながら防除を行う。
病害では、黒星病や黒点病など果実に被害を起こす病害に注意する。
基本的には、防除暦記載の薬剤を指示された適期を逃さないように散布する。
毎度のことであるが、耕種的防除の記載がある場合は、できるだけ多く取り入れて実行し、フェロモン剤が有効な害虫の場合は、産地全体など広範囲に設置するとより効果が安定する。
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