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農薬:防除学習帖

IPM防除9【防除学習帖】第110回2021年7月16日

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防除学習帖では、「みどりの食料システム戦略」で重要な革新的技術として取り上げられたIPM技術について、その具体的な技術の内容を紹介しており、これまで、生物的防除、物理的防除を紹介してきた。今回からは、化学的防除以外の防除法の3つめ、耕種的防除法を紹介する。

耕種的防除法は、抵抗性品種や輪作がイメージしやすいが、肥培管理や栽培時期の移動など普段の農作業で対応できるものも多い。以下、対象ごとに詳細を紹介する。

表1 IPMで使用される主な耕種的防除法

1.病害防除で使用される耕種的防除

(1)抵抗性作物の利用

ア.抵抗性品種とは

人間にも病気になりにくい人がいるように、作物にも病害に罹りにくい品種がある。このことを抵抗性品種といったり、耐病性品種といったりしているが、実は、抵抗性と耐病性は似たようにみえて、病害の罹りにくさには差がある。厳密にいうと、抵抗性とは病原菌がやってきても感染せず病徴も出ないくらい強いものをいい、耐病性とは病原菌の数が少なければ発病しなかったり、感染したとしても軽い症状ですむ程度のものをいう。病害への罹りにくさでは、抵抗性の方が耐病性よりも強い。このため、耐病性品種よりも抵抗性品種を選んだ方が病害防除の面ではより良いことになるが、種苗会社によっては同列に扱っているところもあるので説明書をよく読んで判別するようにしなければならない。

ただし、病原菌にも個体差というか性格の違うものがおり、同じ病原菌であっても、あるものは抵抗性品種には病気を起こすことができないが、あるものは抵抗性品種であっても病気を起こしてしまうことがある。この病原菌の個体差をレースと呼んでいるが、抵抗性・耐病性品種の特性を示す資料には、「レース○○に対する抵抗性因子を持つ」といった表現がされている。つまり、ある抵抗性・耐病性品種は、固有のレースに対する抵抗性因子を持っており、不幸にしてレースが異なる病原菌が発生した場合には、罹病性品種と同様に発病してしまうのだ。

このため、抵抗性・耐病性品種を使う場合は、前述のようなことが起こる可能性を予想しながら、他の防除法を組み合わせて行うようにした方が良い。むしろ、抵抗性・耐病性品種は、「発病を完全に抑えるものではなく、劇症化を抑える」程度の効果と認識して防除体系を組み立てる方が良く、抵抗性・罹病性品種といえども他の防除法による補完が必要であると考えておいた方が被害のリスクを抑えることができる。

また、抵抗性・耐病性品種の多くは、いくつかの得意とする病害には抵抗性や耐性を示すが、全ての病害に抵抗性や耐性を示すものではない。つまり、複数の病害が発生する場合は、1つの病害を抵抗性・耐病性で防げても、抵抗性・耐病性を持たない病害は防げないということだ。

このため、できるだけ多くの病害に、加えて一つの病害でも多くのレースに抵抗性・耐病性を持つ品種を選ぶようにすると効率の良い防除が実現できる。ところが、それらの品種は、抵抗性因子を持つものを優先して育種するため、残念ながら良食味や良品質といった特質が求めるものと異なる場合も多い。その結果、抵抗性・耐病性品種を使いたくても経営的には、罹病性の品種を選ばなければならなくなることも実際にはあるので、当たり前ではあるが、防除対策を組み立てる際には、栽培する品種の病害抵抗性を十分に意識・考慮するようにしてほしい。

イ.抵抗性品種の上手な活用法

抵抗性・耐病性品種の上手な活用法としては、防除手段が少ないウイルス病を抵抗性・耐病性品種で抑え、ウイルス病以外の病害は他の方法で防除するといったものが組み立てやすい。

ウイルス病は一度発生すると治療する手段がないため、発病させないことが最も重要になるので、抵抗性・耐病性品種の活用に利点が大きく、抵抗性品種を選ぶ場合は、ウイルス病への抵抗性・耐病性の有無を優先して考えるようにすると良い。

例えば、TYLCVというウイルスが病害を起こすトマト黄化葉巻病には、抵抗性品種が多く販売されており、それを使用して効率的に防除できている事例がある。トマト黄化葉巻病は、トマト農家にとって非常に恐ろしい病害で、株全体が黄化萎縮するため、開花や結実への影響が大きく、収量品質を大きく低下させる。

この病害は、タバココナジラミが媒介するので、ウイルスをもったタバココナジラミがトマトに近づけないようにすることが肝要で、そのためにハウスでは目の細かい防虫ネットを開口部全てに設置してハウス内への侵入を防ぐ必要がある。ただ、この場合、風通しが悪く、温度があがりがちになって作物によっては結実への影響があるので、可能な限り網目を大きくして風通しを良くしたいが、黄化葉巻病も防ぎたいというジレンマに陥ることがある。こんな時に、抵抗性・耐病性品種を利用すれば、病害の発生程度を少なくすることができるので、許容範囲で網目を大きくして風通しを良くすることができるようになる。もちろん、網目を大きくすると害虫の侵入リスクが大きくなるので、害虫対策の防除を確実に行う必要がある。

ウ.抵抗性品種の表記例

抵抗性・耐病性品種は、複数の種苗メーカーが開発し、市販されている。最近は、食味・品質も良く、特に複数の病害に抵抗性・耐病性を持つ品種も増えているので、それらを上手に活用することで防除回数を減らせる可能性も高まっている。

以下、ミニトマトの抵抗性・耐病性品種の例を紹介する。こういった抵抗性品種の比較表は、都道府県農業研究センター等の技術資料等で紹介されているので、品種を検討する前に一度確認することをお勧めする。

表2 ミニトマトの抵抗性・耐病性品種の例

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