農薬:防除学習帖
防除暦6【防除学習帖】第119回2021年10月1日
前回よりホウレンソウの防除暦作成に取り組んでおり、防除暦作成の手順や防除手段選択の考え方を示しながら、防除の組み立て方法について紹介している。
前回までに、ホウレンソウ栽培における圃場の準備編と播種時の防除について紹介した。
今回より、播種時以降の病害虫防除について紹介する。
この時期からは、播種時期によって防除内容が異なってくるので、播種時期ごとに病害虫防除法をひも解いていきたい。
1.播種時期と対象病害虫草
ホウレンソウは周年栽培できるが、地域や時期によって随分ことなるため、本稿では 代表として、関東地域の春まき、夏まき、秋まきの3時期を題材にして防除暦を作成することにした(本稿No.116記載)。春まきは3月上旬から5月下旬、夏まきは7月中旬から9月上旬、秋まきは9月中旬から11月中旬に種まきをする。種まきから1ヵ月から2ヵ月弱で収穫するまでが生育期間になるが、その生育期間がどの月にあたるかによって、重点防除対象病害虫が異なってくる。防除暦では、以下の表のように月別の重点防除対象病害虫を整理し、それぞれの月別に防除薬剤や方法を紹介するようにする。
この際、この時期には必ず防除してほしい病害虫と発生を確認してから防除する病害虫に分けて記載する。
必ず防除する病害虫は、発生がはじまると被害が大きいものや、発生が確認されてからでは防除が難しいため、予防防除を行った方が効率よく防除できるものを記載するようにする。これに対し、後者の場合は、発生が確認されてからも防除が間に合うものを防除法とともに記載するようにする。
2.播種前・播種時の防除
前回までに紹介した、土壌消毒や種子消毒、土壌灌注剤、播種前の雑草防除(詳細:No.117、118)を実施する。
特に、萎凋病など土壌から発生する病害の防除は、播種前に行う防除が肝なので、このような病害が発生しているようであれば、播種前の対策を確実に行う必要がある。
3.播種直後から生育初期
(1)飛来害虫対策
播種直後に不織布等のベタがけ資材で、播種後の畝の表面を覆うことでチョウ目はじめ飛来してくる害虫をかなり防除できる。生育初期の加害を防ぐことで、重点防除時期の発生量を低く抑える効果があり、散布剤での防除効率もよくなる。光透過の良い資材であれば、収穫まで被覆しっぱなしで栽培する方法もある。
(2)ネキリムシ対策
ネキリムシは、播種後から生育初期が重点防除時期なので、苗立ちしたら株の周りにベイト剤(ガードベイトA、ネキリベイト)を散布するのが基本である。播種前であれば、フォース粒剤を播種前に全面土壌混和する方法もあり、この場合は、コガネムシ類幼虫など他の害虫との同時防除を狙う場合に効果的である。
(3)除草剤散布
ホウレンソウに登録のある除草剤は、播種7日頃前までに使用する非選択性茎葉処理除草剤が多い。これらは、作物も枯らしてしまうため、畝間散布の登録があるもの以外は、播種後の生育期には使用できない。
表に、播種後から子葉展開期頃までに使用できる除草剤を一覧表にしたので、適宜活用してほしい。ナブ乳剤のみ収穫7日前まで使用できるが、スズメノカタビラを除くイネ科一年生雑草専用剤であるため、広葉雑草には効果が無いので、生えている雑草の種類に注意して使用する。
重要な記事
最新の記事
-
新春特別講演会② 地域のつながり大切に 全国こども食堂支援センター・むすびえ理事長 湯浅誠さん2025年2月6日
-
JAいるま野DX事例公開! 受注業務の手入力をAI-OCRに切り換え「38人→4人」の省人化を実現 PFU2025年2月6日
-
シャインマスカット栽培の課題解決へ「ハウスぶどう防除研究会」岡山で開催 JA全農2025年2月6日
-
かんきつ栽培の課題解決へ「ハウスみかん防除研究会」岡山で開催 JA全農2025年2月6日
-
フルーツ王国ふくしま「ゆうやけベリー・県産いちご」収穫フェア JA東西しらかわ直売所で開催2025年2月6日
-
丸全昭和運輸、シンジェンタジャパン及び三井化学クロップ&ライフソリューションと共同配送に向けた検討を開始2025年2月6日
-
特定外来生物ナガエツルノゲイトウ 水稲移植栽培での除草剤による防除技術を開発2025年2月6日
-
外食市場調査12月度市場規模は3563億円 コロナ禍前比88.2%で2か月連続後退2025年2月6日
-
豆腐づくりの原点に返った「職人(クラフト)豆腐」新発売 温豆乳を使用する新製法開発 アサヒコ2025年2月6日
-
岐阜、福島、静岡のこだわり"いちご"でパフェやデザート 「資生堂パーラー銀座本店サロン・ド・カフェ」の2月限定メニュー2025年2月6日
-
鳥インフル 米サウスダコタ州からの生きた家きん、家きん肉等 輸入を一時停止 農水省2025年2月6日
-
鳥インフル ポーランドからの家きん肉等 輸入を一時停止 農水省2025年2月6日
-
トラクタ、コンバイン、乗用全自動野菜移植機を新発売 クボタ2025年2月6日
-
農業・観光・教育の機能備えた再エネ発電所建設へ クラファン第2期開始 生活クラブ2025年2月6日
-
日本最大級「パンのフェス」関西初上陸 大阪で3月開催 出店第1弾発表2025年2月6日
-
得する価格の「とく得値」2月1日から厳選379品目を値下げ コメリ2025年2月6日
-
東洋ライスと非常事態下の「金芽米」供給で連携 食糧危機に対応 大阪府泉大津市2025年2月6日
-
人気の遮熱帽子「ウルトラライトハット」にLLサイズ登場 先行販売開始 丸福繊維2025年2月6日
-
持続可能な暮らしにつながる 米の「おまかせお届け」サブスク開始 坂ノ途中2025年2月6日
-
子ども食堂支援「サフランライス」提供 10日からフードドライブ開始 パルシステム埼玉2025年2月6日