農薬:防除学習帖
トマト病害虫雑草防除のネタ帳 不完全菌類の防除④【防除学習帖】第176回2022年11月19日
現在、防除学習帖では病原菌の種類別にその生態や防除法を紹介しており、現在、不完全菌類の病害を紹介している。
1.トマト斑点病の病原と生態および被害
トマト斑点病は、Stemphylium lycopersici という糸状菌によって起こる病害で、主に葉に発生する。葉に円形病斑を作り、まわりは黒褐色で中心部はやや光沢のある灰褐色で、病勢が進むと中心部に穴があくのが特徴である。定植後に下葉から発生し、順次上位の葉に拡がっていく。前作の被害茎葉とともに越冬し、次作の時にそこから胞子を発生させて伝染していく。基本的に施設栽培で早春から発生し、樹勢が衰えると発生しやすくなり、多湿条件が重なると多発生となる。
葉の活性が落ち、収量、品質が低下する。
2.防除法
(1)耕種的防除
①多湿にならないように管理することで、発生を少なくすることができるので、湿度管理を中心に対策を行う。次のポイントを参考に、できれば複数組み合わせて実施すると良い。
②樹勢が衰えないように、適正や栽培管理に気をつける。特に窒素肥料は過剰も不足も病勢拡大の要因になるので、適正施肥を徹底する。
③次作の発生源となる被害茎葉を施設内に残さないように徹底する。
④分生胞子を拡散させないようにするため、早期発見を心がけ、病斑を見つけたらできるだけ速やかに取り除く。
⑤風通しを良くして、灌水や排水に注意して、過湿にならないようにする。
(2)化学的防除
発生が多くなった後では、たとえ治療効果のある薬剤でも十分な効果を発揮できないので、予防効果のある薬剤の定期散布を基本とし、病害が発生したら、発生初期のまだ病害が少ないうちに治療効果のある薬剤を使用して徹底防除を行うようにする。
散布にあたっては、成分系列の異なる薬剤でのローテーション散布を心掛ける。
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(119) -改正食料・農業・農村基本法(5)-2024年11月23日
-
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践 (36) 【防除学習帖】第275回2024年11月23日
-
農薬の正しい使い方(9)【今さら聞けない営農情報】第275回2024年11月23日
-
コメ作りを担うイタリア女性【イタリア通信】2024年11月23日
-
新しい内閣に期待する【原田 康・目明き千人】2024年11月23日
-
基本法施行後初の予算増確保へ JAグループ基本農政確立全国大会に4000人 生産者から切実な訴え2024年11月22日
-
「適正な価格形成」国関与で実効的に JA群馬中央会・林会長の意見表明 基本農政確立全国大会2024年11月22日
-
JAグループ重点要望実現に全力 森山自民党幹事長が表明 基本農政確立全国大会2024年11月22日
-
農林水産省 エン・ジャパンで「総合職」の公募開始2024年11月22日
-
鳥インフル 米モンタナ州、ワシントン州からの生きた家きん、家きん肉等 輸入を一時停止 農水省2024年11月22日
-
鳥インフル オランダからの生きた家きん等 輸入を一時停止 農水省2024年11月22日
-
11月29日「ノウフクの日」に制定 全国でイベント開催 農水省2024年11月22日
-
(411)「豚ホテル」の異なるベクトル【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2024年11月22日
-
名産品のキャベツを身近に「キャベツ狩り選手権」開催 JA遠州中央2024年11月22日
-
無人で水田抑草「アイガモロボ」NEWGREENと資本業務提携 JA三井リース2024年11月22日
-
みのるダイニング名古屋店開業2周年「松阪牛ステーキ定食」特別価格で提供 JA全農2024年11月22日
-
【スマート農業の風】農業アプリと地図データと筆ポリゴン・eMAFF農地ナビ2024年11月22日
-
自動運転とコスト【消費者の目・花ちゃん】2024年11月22日
-
イチゴ優良苗の大量培養技術 埼玉農業大賞「革新的農業技術部門」で大賞受賞 第一実業2024年11月22日
-
「AGRIST Aiサミット 2024」産官学金オープンイノベーションで開催2024年11月22日