農薬:防除学習帖
トマト病害虫雑草防除のネタ帳 害虫防除 マイナー害虫【防除学習帖】第198回2023年4月29日
現在、防除学習帖では、トマトの病害虫雑草の生態や防除法を紹介している。前回からトマトを加害する害虫の防除ネタを順次紹介している。前回までに主要な害虫の生態と防除を紹介したので、それら以外のマイナーな害虫をまとめて紹介する。
1.トマトに発生するマイナー害虫
被害は少ないが、知っておきたい害虫は、ハエ目のクロバネキノコバエ、バッタ目ケラ科のケラである。
2.マイナー害虫の被害
(1)クロバネキノコバエ
大量発生すると土中の幼虫がトマトの根を加害し、根の活性不良、生育抑制を起こす。
衛生害虫としても知られる。
(2)ケラ
植物の根圏を餌を探して縦横無尽に穴を掘り、根圏を荒らす。根を食害した場合、根の損傷による生育抑制、傷口からの病原菌の侵入による病害の発生といった被害を起こす。
3.マイナー害虫の防除
(1)クロバネキノコバエ
①排水対策
水はけの悪い場所で多く発生するので、過度な灌水を避け、排水をよくするとともに換気も行う。
②完熟堆肥の使用
未熟な有機物を好むため、鶏糞や魚肥などの有機質肥料の大量施用は避け、完熟堆肥を使用する。刈り取った雑草にも産卵するので、刈った雑草は圃場外に持ち出して処分する。
③防虫ネットの使用
ハウスの場合防虫ネット(1mm以下)を張る。
④黄色粘着トラップの設置
黄色を好むので、黄色粘着トラップを設置して成虫を捕獲する。
⑤化学的防除
登録農薬ベストガード水溶剤を使用する。
⑥収穫残さの処理
収穫後の残渣には幼虫が寄生している可能性があるため、圃場外に持ち出し処分する。
⑦発生が多い場合などには土壌消毒を併用する。
(2)ケラ
①排水対策
水はけの悪い場所で多く発生するので、過度な灌水を避け、排水をよくするとともに換気も行う。1日水分がないとすぐに死滅するので、圃場を乾燥気味に管理するとよい。
②登録農薬は無い。
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