農薬:防除学習帖
トマト病害虫雑草防除のネタ帳 雑草防除②【防除学習帖】第200回2023年5月20日
現在、防除学習帖では、トマトの病害虫雑草の生態や防除法を紹介しており、前回から雑草防除のネタをネタを紹介している。前回は、トマト栽培で問題となる雑草の種類や耕種的除草法について紹介したので、今回は除草剤による雑草防除法をご紹介する。
1.除草剤による雑草防除
畑地雑草防除に使用される除草剤は、土壌処理剤、茎葉処理剤、非選択性茎葉処理除草剤の3つに分けられる。その特徴と使用時期・方法の概要は以下のとおり。
2.除草剤の処理区分別除草剤
(1)土壌処理剤
土壌処理剤は、雑草の発生前に薬剤を土壌表面に均一に散布しておくことが重要である。
その理由は、散布された除草剤が土壌表面に処理層を作り、処理層の下で芽生えた雑草の芽などが除草剤の成分に触れることにより草殺効果を示すので、もし除草剤がかかっていない土壌面があったら、その下にいた雑草は問題なく生育してしまうからである。一覧表は除草剤を選ぶ際の参考にする程度の情報しか掲載していないので、実際の使用にあたっては、農薬ラベルをよく確認し、登録内容に従って安全に使用願いたい。(茎葉処理除草剤、非選択性茎葉処理除草剤も同様)
(2)茎葉処理除草剤
茎葉処理剤は、雑草の生育期に茎葉をめがけて散布する。選択性のある成分を使用するため、除草剤が除草対象とするの科以外の作物であれば、作物の生育中にも散布できる。つまり、トマトに登録のある茎葉処理除草剤(下記)は、イネ科に選択性があるため、イネ科でないトマトには除草作用が働かないので、トマトに除草剤がかかってもトマトが枯れることはない。
(3)非選択性茎葉処理除草剤
非選択性茎葉処理除草剤は、生育中の雑草であれば多年生、一年生、イネ科雑草、広葉雑草といった雑草の種類に関係なく枯らす(非選択性)ことができる。このため、基本的に作物の植付前か播種前の、圃場に作物が無い時に、生育期の雑草の茎葉をめがけて散布する必要がある。これらの除草剤がもし作物にかかると作物は当然枯れてしまうので注意が必要だ。作物の生育期でも、作物にかからないよう工夫されたノズルを使用して、畝間に生える雑草めがけて散布する"畝間散布"ができる剤もあるが、その場合でも作物に絶対に除草剤液が掛からないように細心の注意が必要だ。
非選択性除草剤の有効成分には、グリホサート、グリホシネート、ジクワット・パラコートの3種類がある。グリホサートとグリホシネートは枯れるまでに時間はかかるが雑草の根まで枯らすことができ、ジクワット・パラコートは朝散布したものが夕方には枯れ始めているのがわかるほど速効的だが根は枯らさないといった特性の違いがある。
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