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農薬:防除学習帖

みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践(21)【防除学習帖】 第260回2024年8月3日

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 令和3年5月に公表され、農業界に衝撃を与えた「みどりの食料システム戦略」。防除学習帖では、そこに示された減化学農薬に関するKPIをただ単にクリアするのではなく、できるだけ作物の収量・品質を落とさない防除を実現した上でKPIをクリアできる方法を探っているが、そのことを実現するのに必要なツールなり技術を確立するには、やはりIPM防除の有効活用が重要だ。そこで、防除学習帖では、IPM防除資材・技術をどのように活用すれば防除効果を落とさずに化学農薬のリスク換算量を減らすことができるのか探っている。IPM防除は、①化学的防除、②生物的防除、③物理的防除、④耕種的防除の4つの防除法を効率よく組み合わせて、作物の生産圃場を病害虫雑草が生きていきづらい環境、いわゆる病害虫雑草自身の生命活動を維持しにくい環境にすることで効率的に防除効果を発揮しようというものだ。

このため、病原菌種別や害虫種別、雑草種別に使えるIPM技術を整理すると、作物が異なっても応用しやすくなるので、現在、病害虫雑草別にIPM防除法の組み立て方を検討している。

 前回までに糸状菌4菌類と細菌の生態と防除ポイントについて紹介したので、今回はウイルス病の生態と防除のポイントを紹介する。

1.ウイルスの生態

ウイルスは細胞を持たず、核タンパク質のみで存在している半生物のような病原体である。傷口などから侵入し、植物などの生きた生物細胞の機能を拝借して、自らの核タンパクを増殖させる。形状は、球状や桿状、棒状、ひも状の4種類に大別されている。球状や桿状のもので17~85nm(ナノメートル)と非常に小さく、光学顕微鏡では確認できず、電子顕微鏡で観察する必要がある。侵入すれば作物の細胞の活動が行われれば増殖が可能なため、糸状菌や細菌のような増殖適温などはないが、高温になると不活性化(増殖できなくなる)する。植物病原ウイルスの場合、65℃~75℃に10分間程度遭遇すると不活化するので、夏場の蒸し込み処理などを行う時はこの温度を目安に行うとよい。

また、ウイルスが感染した作物の汁液内では1~2週間も活性を保つが、汁液を乾燥させると不活性化するので、管理用の器具などは使用後に消毒し、よく乾燥させると良い。

2.ウイルスの侵入方法と活用できる防除法

 ウイルスは、害虫の食害痕や管理作業・茎葉の擦れによってできた傷口から侵入する。糸状菌のように、開口部ではない部位に自ら穴を開けて侵入するような芸当はできない。このため、ウイルスの侵入を防ぐには、ウイルスを含む砂塵などが自然開口部にかからないようにすることと、侵入口になる作物体上の傷を発生させないようにすることが重要である。

[活用できる防除法]

①ウイルス病を発症している株を見つけたら、速やかに他の健全株との接触を避けながら丁寧に引き抜いて圃場外に出し、完全に隔離して蒸し込みなどで適切に処理する(物理的防除)。

②ハサミなど管理用の器具は消毒済のものを使用する(耕種的防除)。

③作物の間を移動する場合など、衣服等で作物に傷を付けないように注意する(耕種的防除)。

3. ウイルスの増殖方法と活用できる防除法

ウイルスの増殖は、作物の細胞内で起こるので、一旦侵入させると増殖を阻止する方法は無い。

このため、侵入させないための方策に全力を注ぐ。

[活用できる防除法]:2.に同じ

4.ウイルスの伝染方法と活用できる防除法

 ウイルスの伝染には何らかの伝搬媒体が必要である。その伝搬媒体となるものが、害虫、管理作業、管理器具の接触などがある。ウイルスも細菌と同様に自ら飛散して蔓延していくことは無く、強風などにより強い風で巻き上げられたウイルスを含む砂塵等が飛散することもあるが、基本的には管理作業時と害虫による伝搬がほとんどである。

[活用できる防除法]

④管理作業に使用する器具の消毒や手指の消毒を1株の作業を終えた毎に実施し、ウイルス病に感染した疑いのある株を触った後に健全株を決して触らないようにする。もし、ウイルス病に感染した疑いのある株を発見した場合は、直ちに管理作業を中断し、速やかに健全作物に接触しないように注意深く圃場外に搬出する。作業の再開は、病株搬出後に器具や手指消毒、作業着消毒を再度徹底した後に行う(耕種的防除)。

⑤媒介害虫(アザミウマ類、アブラムシ類、コナジラミ類)の防除を徹底する(化学的防除・物理的防除・耕種的防除)。

⑥発病圃場を耕耘した場合は、必ず機械の徹底洗浄を実施し、細菌の付着した土壌を他の健全圃場に持ち込まないよう注意徹底する(耕種的防除)。

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