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農薬:防除学習帖

みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践(31)【防除学習帖】第270回2024年10月19日

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 令和3年5月に公表され、農業界に衝撃を与えた「みどりの食料システム戦略」。防除学習帖では、そこに示された減化学農薬に関するKPIをただ単にクリアするのではなく、できるだけ作物の収量・品質を落とさない防除を実現した上でKPIをクリアできる方法を探っているが、そのことを実現するのに必要なツールなり技術を確立するには、やはりIPM防除の有効活用が重要だ。そこで、防除学習帖では、IPM防除資材・技術をどのように活用すれば防除効果を落とさずに化学農薬のリスク換算量を減らすことができるのか探っている。IPM防除は、病原菌種別や害虫種別、雑草種別に整理すると、作物が異なっても応用しやすくなるのではないかと考え、現在、病害虫雑草別に化学的防除の詳細を除いたIPM防除法の組み立て方を検討している(化学的防除法の詳細については病害虫別に後日整理する)。
 前回までに病害と害虫について紹介したので、今回は雑草防除におけるIPM防除法をを紹介する。
1. 雑草の生態と防除
 野菜に限らず、露地で農業生産を行う場合は、必ず雑草との闘いが待っている。
 雑草は、せっかく施用した肥料の収奪や光の競合などで作物の生育を抑制したり、種の混入などで品質を悪くしたりする。この雑草の発生状況は、ほ場の形態(水田、畑地、樹園地)や作物ごと、地域ごとに異なり、1つのほ場には多年生の雑草や一年生の雑草、イネ科やそれ以外の広葉雑草など多種多様な雑草が生えてくる。
 これらを防ぐ除草作業は、ほ場における雑草の優占種など発生状況に合わせて選択されるので、雑草防除法の使用場面ごとに整理してみる。

 2.除草剤の使用[化学的防除]
 雑草防除に使用される除草剤は、水田で使用される水稲除草剤、畑地で使用される畑地除草剤に区分でき、それぞれで使用方法に特徴がある。(詳細は別途紹介する)
 畑地除草剤には、畑地土壌処理剤、茎葉処理剤、非選択性茎葉処理除草剤の3つ種類があり、その特徴と使用時期・方法の概要は以下のとおり。

gakushu270 IPM防除実践考[31]_2024-10-18up-1.jpg

 3.物理的除草[物理的防除]
生育中の雑草を人力で引き抜いたり、三角鎌など除草道具を使用した除草、刈払い機による草刈りといった方法がある。 除草剤が登場する前からずっと行われているが、労力がかかりすぎるため、大面積では使えない。これを補うために、除草モアやロボット草刈機など除草用農業機械も発達しているので、これらを活用できる場合は、適宜圃場の形態に合わせて機械を選択して使用する。

 4.マルチ・遮光シート・除草シートの設置[物理的防除]
 雑草も植物なので、基本的に光合成を行って生長する。このことを利用して、マルチや除草シートなど太陽光を遮る資材を使用して雑草を防除することができる。
 ただ、ほ場全面を覆うことは難しいので、畝単位や畦畔など限られた面積を覆うのが一般的である。
 マルチの場合は、作物を植えるために穴をあけなければならないので穴開け作業が手間な点(最近は最初から穴が開いているマルチも販売されているがやや割高)やその穴のわずかな隙間から雑草が生えることもある。
 また、作物によって使うマルチやシートが異なるので、使い方をよく確認して被覆資材を選ぶようにする。

 5.カバークロップの使用[耕種的防除]
 自然界では、植物同士が光や水、養分を競合しながら生き残るためにしのぎを削っている。
 このため、一面が1つの植物で覆いつくされているような場所には、他の植物は生育しづらい。
 この雑草が生えづらい環境を人工的につくるのがカバークロップの使用である。
 この除草法は、あらかじめ同一の植物を植生して地面を覆いつくす方法であるが、主作物の生育に影響があってはいけないので、畦畔であったり、法面であったりと使用できる場面は限られる。
 それでも、除草しないで済む面積が増えることは農作業の労力軽減で大きなメリットとなる。
 カバークロップの代表的なものは以下のとおりであるが、除草効果の他、緑肥効果など農作物にとって有益な働きをするものが選ばれている。用途に合わせて利用すると良い。

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 6.中耕除草[物理的防除]
  ダイズや長ネギなどでよく使われる方法。生育期に畝間を耕起・土寄せして物理的に除草するのに加え、株元に生えている雑草の上に土を被せ、被覆効果によって除草する。

 7.対抗植物の植栽[耕種的防除]
     植物はアレロパシーとよばれる物質を出しており、それを利用して植栽する方法である。
 ただし、作物の生育に影響があっては元も子もないので、作物と対抗植物の組み合わせが重要となる。例えば、ハッショウマメやカバープランツとしても利用が多いヘアリーベッチなどは、広葉雑草をよく抑制するが、イネ科植物の生育には影響を与えない性質がある。このことを利用し、両者はムギやトウモロコシなどのイネ科作物や果樹の下草管理に最適なコンパニオンプランツといえる。いずれにしろ、コンパニオンプランツを検討する場合は、過去の事例などをよく調べ、目的にあったものを選ぶようにしてほしい。

 8.生物農薬の利用[生物的防除]
    雑草防除に使用される生物農薬は、雑草に感染し雑草を病気にする微生物が登録されたこともあったが、現在では雑草防除に使用できる生物農薬の登録は無い。
    生物農薬以外では、カルガモに雑草を食べてもらうカルガモ農法など、微生物以外の生物を利用する方法もあるにはあるが、導入のための環境を整えるのが大変なこともあるので、導入の際には、経営面での検討などが必要である。

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