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農薬:シリーズ

みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践 (34) 【防除学習帖】第273回2024年11月9日

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 令和3年5月に公表され、農業界に衝撃を与えた「みどりの食料システム戦略」。防除学習帖では、そこに示された減化学農薬に関するKPIをただ単にクリアするのではなく、できるだけ作物の収量・品質を落とさない防除を実現した上でKPIをクリアできる方法を探っているが、そのことを実現するのに必要なツールなり技術を確立するには、やはりIPM防除の有効活用が重要だ。そこで、防除学習帖では、IPM防除資材・技術をどのように活用すれば防除効果を落とさずに化学農薬のリスク換算量を減らすことができるのか探っている。

 みどり戦略対策に向けたIPM防除でも、必要な場面では化学的防除を使用し、化学的防除法以外の防除法を偏りなく組み合わせて防除効果の最大化を狙うのだが、農薬のリスク換算量を減らせる有効成分や使用方法を選択できるようにするためには、農薬の有効成分ごとにその作用点、特性、リスク係数、防除できる病害虫草等を整理すると、より効率良く防除できてリスク換算量を減らすことができる道が探れると考えている。そのため、有効成分の作用機構ごとに分類し、RACコードの順番に整理を試みている。

 現在FRACコード表日本版(2023年8月)に基づいて整理し紹介しているが、整理の都合上、FRACコード表と項目の並びや内容の表記方法が若干異なることをご容赦願いたい。

2.カルボン酸
 (1)作用機構:[A]核酸合成代謝阻害
 (2)作用点: DNAポイソメラーゼタイプⅡ(ジャイレーヌ)
 (3)グループ名:カルボン酸 [グループコード:31]
 (4)殺菌剤の耐性リスク:不明
 (5)耐性菌の発生状況:イネもみ枯細菌病で発生
 (6)化学グループ名・有効成分名(農薬名):
   [1]カルボン酸・オキソリニック酸(スターナ水和剤)
 (7)グループの特性:
   細菌の分類にはグラム染色という方法が用いられ、細菌の細胞壁の構造の違いで染まる色が 異なることを利用して分類する。厚いペプチドグリカン層でできた細胞壁を持っている 細菌 はグラム陽性菌といい紫色に染まる。それに対して薄いペプチドグリカン層と外膜でできた細胞壁を持っている細菌をグラム陰性菌といい赤色に染まる。
   オキソリニック酸は、このグラム陰性菌に抗菌活性を示すが、グラム陽性菌には効果が低い 傾                            向にある。植物病原細菌の大部分はグラム陰性菌であるため、ほとんどの細菌性病害に使用 できるが、グラム陽性菌であるクラビバクター菌(トマトかいよう病菌など)には効果がいい。
   オキソリニック酸の作用機構は、DNAの複製に不可欠な酵素であるジャイレースを不活性化 することであり、ジャイレースが機能しなくなった病原細菌は、細胞分裂に必要なDNAの複製 ができず増殖ができなくなって死滅する。
 (8)リスク換算係数とリスク換算量削減の考え方:
    オキソリニック酸のリスク係数は 0.316である。
    製剤であるスターナ水和剤は、稲の種子消毒、あるいは畑作(野菜、果樹)の細菌病向け に希釈して散布する。散布向けは、希釈倍数に幅が無い登録が多く、幅がある場合でも、効 果面を考慮して濃い濃度を選択する方がよい。防除が難しい細菌病に効果のある貴重な薬剤 であることから、防除効果を最優先に考え、この剤でリスク換算量を減らすことは考えない 方が良いだろう。
    いずれも、使用する前に適用内容をよく確認して正しく使用するようにしてほしい。

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