農薬:現場で役立つ農薬の基礎知識 2024
【現場で役立つ基礎知識】全農土づくりセミナー総合討論から 水稲の高温対策へ基本は根張り重視(1)2025年4月3日
今年も啓蟄(けいちつ)が過ぎ、いよいよ春耕の季節がやってきた。近年は地球温暖化の影響か農作物の高温障害なども心配される。本格化する農作業前に「現場で役立つ基礎知識」として高温に強い稲を作るための土づくりセミナーを通した実践的な管理を探る。
左からJA全農耕種資材部肥料技術対策室長小宮山鉄兵氏(司会)、金田氏、石丸氏、檜田氏
適正施肥で未熟粒抑制
今年度の土づくりセミナー(土づくり肥料推進協議会主催)では水稲の高温対策に関して、有識者が実践農家に対し具体的事例などを交え講演会を実施した。
秋田県立大学名誉教授の金田吉弘氏は高温に強い稲を作るためには「根を重視する土づくり」が重要であるとし、そのためにはわらの管理や非作付け期間の排水対策といったほ場管理、適正な耕起・代かき、水管理といった栽培管理およびケイ酸や窒素追肥による施肥管理がポイントであると強調した。
農研機構中日本農業研究センター上級研究員の石丸努氏はコシヒカリの栽培において生育後期の窒素栄養状態を適正に保つことで、白未熟粒の発生が抑制できることを示した。また、「にじのきらめき」など高温耐性品種が暑さに強い理由を解説した。
JA兵庫六甲稲作協議会会長の檜田幸吉氏は2023年度のJA全農「契約栽培米多収コンテスト」において史上最高の単収(10aあたり941kg)を記録した栽培管理法について紹介した。ここでは各演者が参加した総合討論の内容を紹介する。
◇
司会 土壌肥料の専門家である金田先生、水稲栽培技術の専門家である石丸先生そして多収を実現している農家の檜田さんからそれぞれ講演をいただきました。せっかくの機会ですので、各演者同士で質問があればお願いしたいと思います。まず、専門家の先生方から檜田さんに質問はありますか?
金田 現場の話は非常に参考になります。一つ教えていただきたいのは、檜田さんの水田の土壌はどのような土でしょうか? それとかんがい水は冷たいでしょうか?
檜田 土壌は砂地から粘質のほ場までいろいろあります。多収米である「とよめき」は少し(作土が)深い田んぼで栽培しています。コシヒカリで600kg取れる田んぼで「とよめき」を栽培してもそこまで収量は伸びなかったので、やはり品種ごとに適したほ場はあるのだと思います。かんがい水はため池の水を使用しています。コンクリートのため池なので温かくなることもありますが、基本的には冷たいです。
金田 かなり強めの中干しをされているということで、根っこがどのようになっているか大変関心があります。できれば、根を掘り出して見てほしいです。ぜひ写真を撮っていただき、共有してほしいです。
司会 JAさんを通じて全農兵庫が檜田さんの「とよめき」ほ場の土壌分析をしていたので紹介します。土壌分類は細粒質赤黄色土で、なんと地力窒素含量が100g中28mgもあります。基準は8~20mgで、兵庫県内の平均でも14mgですので、とても地力が高いことがわかります。CEC(陽イオン交換容量)は1リットル当たり16 meですので、そこまで粘質ではないかなと思います。
金田 それは牛ふん堆肥を2t施用していることが効いているのでしょう。石丸先生から檜田さんにお聞きされたいことはありますか?
石丸 農研機構育成の「とよめき」を栽培いただきありがとうございます。遅れ穂がどんどん出てくるとおっしゃっていたと思いますが、それが多収に貢献していると思われていますか?
檜田 そう思います。ただ、その穂が生きるかどうかは十分な水、肥料を吸収できるかどうかにかかっていると思います。ですので、遅めの実肥もやるし、水も後半まで流します。
石丸 ありがとうございます。「とよめき」でかなりの多収をあげておられるのでびっくりしました。
土壌にあった耕うん、代かきを
司会 「とよめき」はとりわけ高温耐性が強いというわけではないと思いますが、品質はどうだったのでしょうか。
檜田 昨年(2023年)は2等、今年は1等でした。
司会 多収と高品質は両立すると考えてよいでしょうか?
石丸 上手に栽培することで両立すると思います。
司会 檜田さんの方から先生方にお聞きになりたいことはありますか?
檜田 JAさんから提案があって「にじのきらめき」という品種を今年から作っています。今年のほ場は風通しの良いほ場でしたがいもち病が出ました。原因がわからず困っています。
石丸 「にじのきらめき」はとりわけいもち病に強い特性ではありません。コシヒカリでも倒れるようなほ場ということですので、地理的な要因ではないかと思います。
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