農薬:年頭あいさつ2019(農薬)
大森 茂 氏(全国農薬協同組合 理事長)2019年1月2日
国際基準の安全確立に寄与
皆さま方におかれましては、つつがなく新年をお迎えのこととお慶び申し上げます。年頭にあたり謹んでご挨拶させていただきます。昨年は大雪や集中豪雨、猛暑、長雨、台風等の異常気象や地震などにより、各地の農作物にも大きな影響がありました。生産者の皆様も大変ご苦労が多かった事と拝察します。そうした中、日本の農業においても新しい息吹を感じる場面もありますが、後継者、人手の不足も顕著になりつつあるように感じています。
昨年6月に成立した農薬取締法の一部改正する法律が昨年末までに省令が定められたうえで施行となりました。その目的は農薬の安全性の向上と世界的な農薬評価手法との整合性をとることとされています。一方、農業生産場面では使用出来る農薬の種類が減ることも懸念されており、場合によっては防除体系の見直しなども必要になってくるものと考えています。内閣府の規制改革推進会議の農林ワーキング・グループでの討議を通じて、生産者に対しての利便性を向上させるため、ドローンによる病害虫防除については農薬登録適用拡大も含めて様々な提案がされています。我々、農薬卸売業者で組織している全農薬としては、全国の組合員を通じて、いろいろな変化に対応するため様々な情報提供を生産者の皆様方に対して引き続き行っていく所存です。また日本植物防疫協会主催の研修を通じて認定している「農薬安全コンサルタント」は、「農薬の適正使用による安全な農産物の確保」「農薬の物流の危機管理の徹底」「農薬に対する正しい知識の普及」を三本柱として活動しています。そしてより高度な研修を通じて「農薬安全コンサルタントリーダー」を養成し、農水省の事業である「農産物輸出支援サポート事業」の受託機関である全国植物検疫協会と連携し、全国各地において病害虫防除の専門員として同事業に協力しています。
昨年末(2018年12月30日)に、TPP11協定が発効しています。2020年開催の東京オリンピック・パラリンピックや、2025年の大阪湾人工島・夢洲(ゆめしま)万博に向けて、国際基準での農産物の生産が求められています。
全農薬では引き続き、安全・安心な農産物の生産に寄与できるよう組合員の技術力を高め、生産者の皆さまのお力となれるように本年も取り組んでいく所存ですので、関係機関の皆さま方の益々のご指導、ご協力を賜りますようお願い申し上げます。本年が皆さま方にとりまして、素晴らしい一年となりますことを心より祈念いたします。
重要な記事
最新の記事
-
【人事異動】JA全農(2025年1月1日付)2024年11月21日
-
【地域を診る】調査なくして政策なし 統計数字の落とし穴 京都橘大学教授 岡田知弘氏2024年11月21日
-
【鈴木宣弘:食料・農業問題 本質と裏側】国家戦略の欠如2024年11月21日
-
加藤一二三さんの詰め将棋連載がギネス世界記録に認定 『家の光』に65年62日掲載2024年11月21日
-
地域の活性化で「酪農危機」突破を 全農酪農経営体験発表会2024年11月21日
-
全農いわて 24年産米仮渡金(JA概算金)、追加支払い2000円 「販売環境好転、生産者に還元」2024年11月21日
-
鳥インフル ポーランドからの家きん肉等 輸入を一時停止 農水省2024年11月21日
-
鳥インフル カナダからの生きた家きん、家きん肉等の輸入を一時停止 農水省2024年11月21日
-
JAあつぎとJAいちかわが連携協定 都市近郊農協同士 特産物販売や人的交流でタッグ2024年11月21日
-
どぶろくから酒、ビールへ【酒井惇一・昔の農村・今の世の中】第317回2024年11月21日
-
JA三井ストラテジックパートナーズが営業開始 パートナー戦略を加速 JA三井リース2024年11月21日
-
【役員人事】協友アグリ(1月29日付)2024年11月21日
-
畜産から生まれる電気 発電所からリアルタイム配信 パルシステム東京2024年11月21日
-
積寒地でもスニーカーの歩きやすさ 防寒ブーツ「モントレ MB-799」発売 アキレス2024年11月21日
-
滋賀県「女性農業者学びのミニ講座」刈払機の使い方とメンテナンスを伝授 農機具王2024年11月21日
-
オーガニック日本茶を増やす「Ochanowa」有機JAS認証を取得 マイファーム2024年11月21日
-
11月29日「いい肉を当てよう 近江牛ガチャ」初開催 ここ滋賀2024年11月21日
-
「紅まどんな」解禁 愛媛県産かんきつ3品種「紅コレクション」各地でコラボ開始2024年11月21日
-
ベトナム南部における販売協力 トーモク2024年11月21日
-
有機EL発光材料の量産体制構築へ Kyuluxと資本業務提携契約を締結 日本曹達2024年11月21日