農薬:年頭あいさつ2020(農薬)
本田 卓 氏 (日産化学株式会社取締役常務執行役員 農業化学品事業部長)2020年1月3日
日本農業の維持・発展に貢献していく
新年明けましておめでとうございます。年頭にあたりまして、謹んでご挨拶申し上げます。
昨年も残念なことに、台風や豪雨など自然災害が各地を襲い、農作物生産者の皆様には厳しい年となりました。また、畜産に携わる方々にとっても家畜伝染病の拡大や侵入が大きな問題となっております。これらは世界的問題でもあり、政府において各種施策が実施されておりますが、我々研究開発型の民間企業にとりましても重要な解決目標として認識されています。
さて、日本の農業につきましては、後継者不足や海外からの輸入拡大など長年にわたり厳しい状況ばかりが情報としては目立ちますが、多くの一般国民が日本の農作物の品質の良さや安全性に信頼を寄せていること、さらに経済原則を超えて緑豊かで美しい里山を守り河川沿いの災害を軽減することにも農業が大きく貢献していることを認識していると思います。これら農業を応援する力に勇気づけられ、当社も関係する皆様と共に日本農業の維持発展に微力ながら貢献していきたいと考えています。
続いては、農業化学品事業をリードする立場として今年の抱負を述べさせていただきます。当社は農業を持続的に続ける上で大きな問題と生産者が認識している病害虫雑草の農薬への抵抗性獲得に、安全性が高くて有効な新規の農薬を提供することを最重要ミッションと位置付けています。昨年発売した殺虫剤グレーシア乳剤は、マルハナバチなど有用蜂類に安全でありながら害虫の作物への加害を素早く防ぐと高い評価をいただいています。今年はさらに多くの生産者の皆様に本製品をお届けすべく、生産計画を立てているところです。
最後に農薬の有用性につきまして、この機会に紙面を使わせていただきます。詳しくは農薬工業会のホームページwww.jcpa.or.jpを訪ねていただきたいのですが、例えば一つの野菜を集中して広い面積で栽培する農業において、すべての害虫の発生を低レベルに抑えることは容易ではないというのが事実です。多くの農業生産者が農薬を活用されていることが示すように、病害虫や雑草を抑えて持続的経済的に農業を営む上で農薬は有用です。近年、農薬の安全性について誤解や偏見に基づく報道がSNSの拡散もあって目につきますが、農薬工業会の活動を通じて正しい情報を届ける活動を続けてまいりますので、皆様のご理解とご支援をお願いいたします。
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