農薬:年頭のあいさつ2021
【年頭あいさつ】スマート農業化へ対応し持続的農業生産に貢献 日産化学工業株式会社 取締役常務執行役員農業化学品事業部長 本田 卓2021年1月5日
![日産化学本田卓氏.jpg](https://www.jacom.or.jp/nouyaku/images/02059b1f50176083de47f17edcba5f8a.jpg)
取締役常務執行役員
農業化学品事業部長 本田 卓
新年明けましておめでとうございます。年頭にあたりまして、謹んでご挨拶申し上げます。
昨年も私の故郷であります熊本県を襲った豪雨災害に加えトビイロウンカによる稲のつぼ枯れ発生など、農作物生産者の皆様にはご苦労の多い年となりました。さらに、新型コロナウイルスによる農業生産への影響は消費者の行動様式の変化に端を発し今後各方面で顕在化していくものと思います。当社は刻々と変化する生産者からのご要望に応え混乱する物流状況を克服しながら農薬製品を供給することに全力をかたむけた1年でした。
続いては、農業化学品事業をリードする立場として今年の抱負を述べさせていただきます。当社は農業生産者が病害虫雑草から農作物を守るために有効で安全性に優れた農薬製品を提供することが最重要ミッションですが、国内農業の維持発展に資すると期待されているスマート農業化に向けて先ずはドローン散布に適した水稲除草剤製品を複数発売しました。今後は既存の園芸用農薬についても効果や作物への安全性を確認した製品についてドローン用高濃度少量散布にも適用を拡大していく計画です。さらに、昨年よりスマホアプリによる病害虫雑草診断と有効農薬の情報を農業生産者にお届けするサービス提供を始めました。現在は水稲向けのみですが、順次園芸作物へも拡大していく予定です。
また、非選択性除草剤ラウンドアップマックスロードについては、100L/10a程度という通常の希釈散布液量を1/20となる5L/10aでも同じ効果を発揮でき散布域外への飛散を抑えた特殊ノズルを動力用やバッテリー式噴霧器用に実用化してまいりましたが、本年中にはいよいよブームスプレーヤ用ノズルを完成させる計画です。本技術は規模拡大を進める農業経営体にとって作業効率を飛躍的に改善できるものですし、家族経営による農業生産者からは労働負荷・時間を劇的に減らすことが実感されています。経済合理性に基づく持続的な農業生産に是非ともお役立ていただきたいと思います。
最後に農薬の有用性と科学的根拠に基づく安全性につきまして、この機会に紙面を使わせていただきます。詳しくは農薬工業会のホームページwww.jcpa.or.jpを訪ねていただきたいのですが、多くの農業生産者が農薬を活用されていることが示すように、病害虫や雑草を抑えて農作物を守るために農薬は有用です。また厳しい専門機関の審査を経て登録された農薬は農業生産者も認可された方法で使用することで安全性を担保できることが科学的に示されています。近年、農薬の安全性について誤解や偏見に基づく報道がSNSの拡散もあって目につきますが、農薬工業会の活動を通じて正しい情報を届ける活動を続けてまいりますので、皆様のご理解とご支援をお願いいたします。
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