組合員数300万人 首都圏に巨大生協が誕生2013年3月22日
かねてから組織統合の準備を進めてきた首都圏3生協(さいたまコープ・コープとうきょう・ちばコープ)が3月21日正式に統合し「コープみらい」として新たなスタートをきった。21日の発足から6月の通常総代会の期間は旧3生協の役員全員が新生協役員となることを、存続生協であるさいたまコープ臨時総代会で議決しており、この日の理事会では代表理事理事長以下の役員を選任し、その後、記者会見を行った。
◆地域の誰もが参加できる生協をめざす
新生協「コープみらい」の新役員は別掲の通りだが、田井修司理事長(ちばコープ)、土屋敏夫専務理事(統括、コープネット)、小方泰専務理事(機関運営・組織、コープとうきょう)の3氏が記者会見を行った。
記者会見で田井理事長は、組織統合し大きくなることで「組合員の夢を実現できる」組織となったとし、「295万人の組合員1人ひとりと向き合っていくことが最初の仕事になっていく」と語った。
そして、コープネットグループが掲げている「2015年ビジョン」の課題▽店舗や宅配などの業態と業態の「ともに」、▽組合員活動と事業の「ともに」、▽組合員・消費者の「くらしの知恵」と生産者・メーカーなどの「つくる知恵」の「ともに」、をコープネットグループ各生協と力を合わせ、地域の誰もが参加できる生協を目指して、組合員が生涯を通じて利用できる事業・サービスを創りあげていくと決意を語った。
(写真)
記者会見より。(左から)小方泰代表理事専務理事、田井修司代表理事理事長、土屋敏夫代表理事専務理事(統括)
◆産直産地のなかった組合員が「産地を持てた」と歓迎
旧3生協合算の12年度の事業見込み(13年3月20日)は、組合員数293万人(2月20日時点)、総事業高は3596億円、供給高は3476億円(うち宅配2390億円、店舗1086億円)、経常剰余金46億円となっている。
新生協「コープみらい」の13年度事業計画では、組合員数303万人(12年度比103%)、総事業高3573億円(同99.4%)、供給高3456億円(宅配2393億円、店舗1062億円)、経常剰余33億円となっている。
事業高が12年度よりわずかだが下回っているのは「店舗事業を巡る環境が厳しく、新規店舗の出店見通しがたてにくい」からだという。
組織統合しても「売上げ規模は変わらないため、そうした面でのメリットはない」が「3生協がこれまで蓄積してきたノウハウや資金や人材などの資源が有効活用できること」が最大のメリットだと土屋専務は強調する。
いままで経験したことのない県域を超えた単一生協誕生が、今後の生協運動・事業にどのような影響を与えるのかはまったく不鮮明だといえる。
いままでほとんど「産直産地」を地元に持たなかったコープとうきょうの組合員からは全国でも有数の農畜産部の産地である千葉県が「コープみらい」のエリアとなったことで「私たちも産地がもてた」と喜んでいるという声もあり、生協が元気になり、生産者にもよい影響となってくれることを願いたいと思う。
【コープみらいの役員】(敬称略)
代表理事理事長 田井修司(旧ちばコープ理事長)
副理事長 上原正博(旧コープとうきょ)
副理事長 佐藤利昭(旧さいたまコープ)
代表理事専務理事(統括) 土屋敏夫(コープネット)
代表理事専務理事(機関運営・組織) 小方泰(旧コープとうきょう)
常務理事(管理) 熊?伸(旧ちばコープ)
常務理事(保障・福祉) 中村憲治(旧さいたまコープ)
理事(千葉県本部) 鳥羽治明
理事(埼玉県本部) 吉川尚彦
理事(東京都本部) 塩崎佐武郎
常勤監事 松浦亨
常勤監事 岩崎一行
常勤監事 青島利昭
なお、6月通常総代会までの理事数は70人、監事数は17人となっている。
(関連記事)
・首都圏に284万人の巨大生協 ちばコープ・さいたまコープ・コープとうきょうが組織合同を決定(2012.11.19)
・「きやっせ物産展」に3万人が来場 ちばコープ(2013.03.13)
・コープネットが設立20周年迎える(2012.07.24)
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(119) -改正食料・農業・農村基本法(5)-2024年11月23日
-
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践 (36) 【防除学習帖】第275回2024年11月23日
-
農薬の正しい使い方(9)【今さら聞けない営農情報】第275回2024年11月23日
-
コメ作りを担うイタリア女性【イタリア通信】2024年11月23日
-
新しい内閣に期待する【原田 康・目明き千人】2024年11月23日
-
基本法施行後初の予算増確保へ JAグループ基本農政確立全国大会に4000人 生産者から切実な訴え2024年11月22日
-
「適正な価格形成」国関与で実効的に JA群馬中央会・林会長の意見表明 基本農政確立全国大会2024年11月22日
-
JAグループ重点要望実現に全力 森山自民党幹事長が表明 基本農政確立全国大会2024年11月22日
-
農林水産省 エン・ジャパンで「総合職」の公募開始2024年11月22日
-
鳥インフル 米モンタナ州、ワシントン州からの生きた家きん、家きん肉等 輸入を一時停止 農水省2024年11月22日
-
鳥インフル オランダからの生きた家きん等 輸入を一時停止 農水省2024年11月22日
-
11月29日「ノウフクの日」に制定 全国でイベント開催 農水省2024年11月22日
-
(411)「豚ホテル」の異なるベクトル【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2024年11月22日
-
名産品のキャベツを身近に「キャベツ狩り選手権」開催 JA遠州中央2024年11月22日
-
無人で水田抑草「アイガモロボ」NEWGREENと資本業務提携 JA三井リース2024年11月22日
-
みのるダイニング名古屋店開業2周年「松阪牛ステーキ定食」特別価格で提供 JA全農2024年11月22日
-
【スマート農業の風】農業アプリと地図データと筆ポリゴン・eMAFF農地ナビ2024年11月22日
-
自動運転とコスト【消費者の目・花ちゃん】2024年11月22日
-
イチゴ優良苗の大量培養技術 埼玉農業大賞「革新的農業技術部門」で大賞受賞 第一実業2024年11月22日
-
「AGRIST Aiサミット 2024」産官学金オープンイノベーションで開催2024年11月22日