配食事業1.5倍、移動販売1.4倍に 日本生協連2013年9月17日
拡大する生協の「買い物弱者」支援事業
全国の地域生協などによる「買い物弱者」を支援する事業が急速に拡大している。
◆1日7.8万食を配達
日本生協連はこのほど、日常生活に必要な買い物などに苦労している高齢者を中心とする「買い物弱者」を支援するために各生協が取り組んでいる配食事業と移動販売事業の最新状況を取りまとめた。
これによると、食事づくりが困難な高齢者などに週5回程度「お弁当」や「おかず」などを届ける配食(夕食宅配)事業は、今年7月末現在、39都道府県の45生協が実施。1日当たり約7.8万食を配達している。
これは、昨年10月調査の34都道府県38生協の5.1万食と比べて生協数で1.2倍、食数で1.5倍となっている。この事業では、多くの生協が行政と連携し、弁当などを届けたときに安否確認を行い、異常があれば所定の連絡先に通報するなど、利用者の暮らしに安心を支える役割も担っている。
コープみらいでは、「コープデリの夕食宅配」の夕食用弁当と一緒に、生協の宅配で取扱っている牛乳や鶏卵、加工食品などの一部を届ける新サービス「舞菜ぷらす」を昨年10月から開始している。
◆移動販売、被災地で拡大
高齢過疎化などから買い物がしにくい人への支援としては、店舗を拠点に、冷凍・冷蔵ケースを設置したトラックに商品を積んで、買い物が不便な地域を回る移動販売車を運行している生協も増えている。
今年7月20日現在で、20道府県の22生協が107台運行しているが、これは昨年9月調査の16道府県17生協77台と比べると、生協数で1.3倍、台数で1.4倍となっている。
とくに、東日本大震災被災地で生協の移動販売が拡大しており、いわて生協で4台、みやぎ生協で2台、コープふくしまで1台が、津波などの被害で買い物が不便になった地域の仮設住宅などを回っている。
また、コープさっぽろでは、道内で進む地域の高齢過疎化による「買い物弱者」拡大に対して移動販売での支援に力を入れており、現在、60台が運行されている。
コープかごしまでは今年2月に薩摩川内市の「買物不便地域支援モデル事業」の事業者として移動店舗「コープ号」をスタート。市内の28自治会・43カ所を巡回し、高齢者をはじめ地域の人たちの暮らしを支えている。
(写真)
仮設住宅を回る、いわて生協の移動店舗「にこちゃん号」
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