農業・食料関連産業生産額は94兆円強2013年10月16日
平成23年度農業・食料関連産業の経済計算
農水省は10月15日、平成23年度の「農業・食料関連産業の経済計算(速報)」を公表した。これによると、農業・食料関連産業の国内生産額は、94兆750億円でほぼ前年並みだった。これは全経済活動の10.5%を占めている。
◆農業の国内生産額は9兆円
農業・食料関連産業の国内生産額94兆750億円を部門別にみると、農業は9兆4526億円、食品工業など関連製造業が36兆3569億円、関連流通業が24兆3102億円、飲食店が20兆3259億円となっている。
農業生産額は22年度に比べ0.8%の増加となっているが、部門別にみると、耕種部門が6兆54億円で、前年度より2.0%の増加となっている。
耕種部門を品目別にみると、米が1兆9291億円と生産量は前年並みだったが、価格の上昇などにより生産額は前年度より19.2%増加した。野菜は2兆1353億円で、キャベツ、ネギの価格低下などで前年度より5.2%減少した。果実は7774億円で、リンゴ、ブドウの生産量が減少したことなどから前年度に比べ0.4%減少している、
畜産部門は、2兆9088億円で同1.5%減少している。品目別にいると酪農は8591億円と生産量の減少などで同2.7%減少している。鶏卵は4559億円で同5.5%減、肉鶏は2959億円で同2.9%のプラス、肉豚は5306億円で同1.6%の減少、肉牛は7164億円で同1.7%のプラスとなっている。
農業サービス部門は5383億円で同1.1%の減少となっている。
「農業生産額」から肥料・農薬などの「中間投入」を差し引いた「農業総生産」は、4兆2568億円で、前年度より1.4%増加した。
これは農業生産額が米の価格上昇などにより0.8%増加したことなどによる。
これを部門別にみると、耕種部門は3兆3536億円で同4.6%のプラス。畜産部門は5631億円で同13.4%の減少、農業サービス部門は3401億円で同1.1%の減少となっている。
「農業生産」から固定資本、間接税、経常補助金を差し引いた「農業純生産」は、3兆2131億円で前年度並みだった。これは農業総生産が1.4%増加したものの、経常補助金が7652億円と前年度よりも428億円(▲5.3%)減少したことなどによる。
◆加工食品の国内生産額は19兆円強
また、食品工業の国内生産額は33兆6320億円で、前年度に比べて0.9%減少した。
部門別にみると、加工食品は19兆1092億円で同0.8%増加した。飲料・たばこは9兆5998億円で同1.3%の減少、準農水産品(と畜、冷凍魚介類、精米およびその他の精穀)は4兆9230億円で同6.2%減少した。
品目別に見た特徴は、「と畜」は牛肉価格の低下などにより前年度より7.1%減の1兆4542億円だった。また「水産加工品」は宮城県、岩手県などで冷凍魚介類の生産量が減少したことなどにより、同5.9%減の2兆8757億円だった。
食品工業の国内総生産は、11兆9256億円で同1.4%減だった。部門別には、加工食品は5兆7614億円で同0.6%の増加、飲料・たばこは5兆4192億円で同2.5%減、準農水産品は7451億円で同8.3%減となった。
(関連記事)
・農業・農村の所得倍増政策 政府が検討本部設置(2013.05.27)
・農業・農村の所得倍増 安倍首相が長期戦略(2013.05.20)
・22年度の農業純生産3兆2190億円 前年比8.6%増(2012.11.07)
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