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メニュー表示偽装で政府に意見書 生活クラブ2013年12月17日

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 生協の生活クラブ連合会は、12月10日の理事会で、メニュー表示偽装等について政府に提出する意見書を決定し、内閣総理大臣などへ送付した。その全文は次の通り。

 この意見書では、▽業者が得た不当利益の返還と事業者名の公開▽虚偽表示を監督する官庁の体制の強化▽健康被害防止のため中食、外食の原材料表記と消費者の意見反映、を求めている。
 意見書の具体的内容は以下の通り。

【メニュー表示偽装等に対する意見書】(抄)
 現在、有名ホテルや百貨店、旅館、レストランなどでのメニュー表示の偽装が次々と明らかになり、偽装問題は拡大を続けています。表示偽装のあったメニューを利用した消費者の信頼を損なったことはもちろん、一連の事件は業界に対する不信を広げ、社会問題化しているといっても過言ではありません。また、メニュー表示の偽装により原材料名の判断を誤り、アレルギーによる健康被害にもつながります。事業者に対する消費者への真摯な対応についての指導はもちろんのこと、このような虚偽表示の問題について、業界団体への指導と法律や規制の不備に対する見直しを求めます。

1.業者が得た不当利益の返還と事業者名の公開を求めます。
 消費者への事件発生業者の対応は、食事の領収書確認での返金や任意の申し出での返金、該当ニューの金額を復興支援へのカンパ、誤表示の訂正のみなど、事業者によって判断が異なっています。今回の虚偽表示は、メニュー表示されている食材より実際に使用された原料の単価の方が例外なく安価であり、利用者をだまし、業者側が不当な利益を得ようとする意図が明らかです。
 不当に得られた利益については、利用した消費者に返金することを基本とし、利用した消費者が特定できない場合は、その利益を国が管理し今後の消費行政に活かせるように制度を改正してください。また、事業者の責任を明らかにするために、問題を起こした事業者名とその内容は監督官庁がすべて把握し、公開してください。

2.虚偽表示を監督する官庁の体制の強化を求めます。
 メニュー偽装を起こした食品提供業者に対する監督は消費者庁の役割ですが、その管理責任者は都道府県であり、実際は地域の保健所が担っています。消費者庁の執行体制の強化、都道府県知事の業者に対する措置命令の発令の権限の付与、また、保健所が十分な管理ができるよう体制強化のための予算措置を求めます。

3.健康被害防止のため中食、外食の原材料表記と消費者の意見反映を求めます。
 今回のメニュー偽装の中には成形肉をステーキと偽って表示していたものがありました。成形肉には小麦や大豆、乳が原料として使用される場合があり、万が一の場合にはアレルギー症状を起こす可能性があります。現在の法律ではメニュー表示への原材料記載が義務化されておらず、また、新たに成立した食品表示法では中食、外食の原材料表記について旧法をそのまま継続する方向性で議論されており、業界の性善説に依拠しているままでは健康被害に及ぶ可能性も十分考えられます。
 今後、制定される新食品表示法の基本計画において、中食、外食の原材料を義務表示とすることを求めます。
 また、表示を検討する消費委員会食品表示部会の構成メンバーは消費者代表が少ない偏った構成になっており、公平性を欠いています。事業者の実行可能性への配慮は必要ですが、メニュー表示を含む食の表示について、メンバーに消費者代表を追加し、食べる側の意見を反映する場を提供し、食品行政の内実を高めることに努めてください。

 

(関連記事)

食品偽装はなぜ起きた? 業者間取引に規制を(13.12.13)

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インタビュー立石幸一・JA全農食品品質・表示管理部部長(2013.09.20)

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