JA全農とっとりが輸出促進でドールと協定2014年3月26日
鳥取県とJA全農とっとり、(株)ドールは3月24日にナシなど県産農産物の輸出促進をはかるためパートナー協定を締結した。
協定締結後の記者会見で鳥取県の平井伸治知事は「日本農業は変わりめにある。ドールという世界的企業と結びつくことで外に打って出る新しい農業をつくっていきたい」などと話した。
鳥取県のナシの輸出は80年の歴史がありピーク時には20か国5500tの量があったが、円高や中国産との競合で近年は400t程度にとどまっているという。JA全農とっとりの山田晋爾本部長は「先人の努力で有利販売、国内価格の安定に大きな役割を果たしてきたこの取り組みを、東南アジアに販路を拡大してより農家組合員の手取り拡大につなげていきたい」と話した。
3者は昨年、香港とタイでナシや柿、スイカの合同販売促進活動を実施、その後、連携強化を具体的に進めていくことを確認しこの日の協定締結となった。目的はそれぞれが持つ資源を有効活用することで輸出を拡大すること。県はドールが行う海外バイヤーの県内産地の視察や県内の輸出取り組み業者などとのマッチングを支援する。県庁内に輸出促進部局も新設したという。
JA全農とっとりはドールに対して県産農産物の生育状況や、選果・出荷計画などの情報提供、新たな輸出品目の提案などを行う。また一元的な供給機能を活かしてドールへの出荷数量を確保する。
一方、ドールは海外の消費者ニーズ、農産物の輸入動向や販売網など海外マーケットに関する情報提供を県やJA全農とっとりに対して行うほか、輸出拡大に向けたアドバイスやコーディネートで協力する。
これまで同県産の輸出先は、香港と台湾が中心だったが、今後はインドネシア、タイ、マレーシア、シンガポールなどに売り込む。26年度の輸出予定品目はスイカ、20世紀梨、新甘泉梨、あたご梨、富有柿、長いもなど。
ドールの渡辺陽介社長は「鳥取の農業者と海外の消費者をつなぐ努力をし日本農業に貢献したい」と話した。
山田本部長によると梨の輸出では数社と取引ががあるが、いずれも市場販売が中心だという。「ドールは現地のデパートや量販店に直接販売するルートを持っている。新たな販路の開拓になる」と話している。
(写真上)
左から平井知事、渡辺社長、山田本部長
(写真下)
東南アジアに梨などを売り込む
(関連記事)
・雪害対策で奮闘するJA全農(2014.03.20)
・「フェアな競争関係」が農協を強くする(2014.03.17)
・貿易ルールづくり「農業者の話し合い重要」(2014.03.14)
・都市農業こそ農の価値発信を JA全中がシンポ(2014.03.13)
・米政策で研究会 「政策決定に現場の声を」(2014.03.11)
重要な記事
最新の記事
-
災害乗り越え前に 秋田しんせい農協ルポ(2)今後を見据えた農協の取り組み 営農黒字化シフトへ2025年1月23日
-
災害乗り越え前に 秋田しんせい農協ルポ(3)水田に土砂、生活困惑2025年1月23日
-
災害乗り越え前に 秋田しんせい農協ルポ(4)自給運動は農協運動2025年1月23日
-
人づくりはトップ先頭に 第5次全国運動がキックオフ 150JAから500人参加【全中・JA人づくりトップセミナー】(1)2025年1月23日
-
人づくりはトップ先頭に 第5次全国運動がキックオフ 150JAから500人参加【全中・JA人づくりトップセミナー】(2)2025年1月23日
-
人づくりはトップ先頭に 第5次全国運動がキックオフ 150JAから500人参加【全中・JA人づくりトップセミナー】(3)2025年1月23日
-
元気な地域をみんなの力で 第70回JA全国女性大会2025年1月23日
-
【JA女性組織活動体験発表】(1)新しい仲間との出会い 次世代へつなげるバトン 青森県 JA八戸女性部 坂本順子さん2025年1月23日
-
【JA女性組織活動体験発表】(2)この地域を、次世代に繋ぐ、私たち 山梨県 JA南アルプス市女性部 保坂美紀子さん2025年1月23日
-
【JA女性組織活動体験発表】(3)私たちの力で地域をささえ愛 愛知県 JA愛知東女性部 小山彩さん2025年1月23日
-
旧正月【酒井惇一・昔の農村・今の世の中】第325回2025年1月23日
-
地元産米を毎月お届け 「お米サポート」スタート JAいずみの2025年1月23日
-
定着するか賃金引上げ 2025春闘スタート 鍵は価格転嫁2025年1月23日
-
鳥インフル 米アイオワ州など5州からの生きた家きん、家きん肉等 輸入を一時停止 農水省2025年1月23日
-
鳥インフル 英シュロップシャー州、クルイド州からの生きた家きん、家きん肉等 輸入を一時停止 農水省2025年1月23日
-
スーパー売り上げ、過去最高 野菜・米の価格影響 「米不足再来」への懸念も2025年1月23日
-
福島県産「あんぽ柿」都内レストランでオリジナルメニュー 24日から提供 JA全農福島2025年1月23日
-
主要病虫害に強い緑茶用新品種「かなえまる」標準作業手順書を公開 農研機構2025年1月23日
-
次世代シーケンサー用いた外来DNA検出法解析ツール「GenEditScan」公開 農研機構2025年1月23日
-
りんご栽培と農業の未来を考える「2025いいづなリンゴフォーラム」開催 長野県飯綱町2025年1月23日