製造者に不当な協賛金要請 食品産業の実態2014年6月24日
食品産業センターが取引慣行の実態調査
一般財団法人食品センターは「優越的地位の濫用の問題について積極的に取り組み」、毎年、食品メーカーを対象に実態調査を実施し、協賛金、センターフィー、従業員派遣などの実態を明らかにしてきたが、今年2月に実施したアンケート実態調査の結果をまとめ、このほど公表した。調査対象は1700社、有効回答320社(有効回答率18.8%)。
◆「不当要求」相当ある
調査報告によると「協賛金の要求があった」とする回答は37.3%と、前年調査より「わずかに(▲1.8%)減少」した。協賛要求がもっとも多かった小売業態はディスカウントストアで49.2%、次いで食品スーパー45.5%、ドラッグストア44.3%が40%を超え、生協でも31.3%であるという。
食品センターでは「協賛金は納入業者との協力により販売促進を図る」などの目的があることから「一概に不当とは言えない」が「要求された協賛金の種類や販売促進効果に対する回答結果をみると(後述)『大規模小売業告示の運用基準』に例示されているような不当なものも相当程度あると考えられる」とみている。
要求されたとする協賛金の種類は、全体では、「チラシ協賛金」が51.0%、次いで「新製品導入協力協賛金」が49.8%、「新規(改装)オープン協賛金」47.0%となっている。
また、禁止行為とされている「決算対策の協賛金」は、平成21年度の14.3%以降上昇し、22年度以降は20%台で推移、今回調査では22.4%となっている(前年より▲1.2%)。
◆効果に疑問が4割
こうした協賛金要求に対して「ケースバイケースで応じている」との回答が58.7%(前回より+7.3%)ともっとも多く、「全て応じざるをえない」13.5%、「ほとんど応じている」23.8%の合計は37.3%と前回調査より8.0%減少した。一方、「全く応じない」と「ほとんど応じていない」の合計は4.0%と前回調査とほぼ同様の結果だった。
そして、食品メーカーの資本金規模別に協賛金要求への対応を、協賛金要求件数がもっとも多い食品スーパーでみると、規模の小さいメーカーほど「全て応じざるをえない」傾向が見られた。
こうした協賛金の販売効果については、「協賛金は不当に高い」と「効果は期待できない、もしくは無い」の合計は39.9%とほぼ4割に達している。
「大規模小売業者告示」では、「納入業者が得る利益等を勘案して合理的であると認められる範囲」を超える協賛金については、第8項「不当な経済上の利益の収受等」の禁止行為に該当するとしており、「これに該当する事例が相当数あるのではないか」と同センターではみている。
◆コスト削減上回る負担
「センターフィー負担の要請」については、全体で51.7%が「負担している」と回答。食品スーパー68.4%、大型総合スーパー65.7%、ディスカウントストア56.7%、ドラッグストア52.1%、コンビニ51.2%、生協51.2%と百貨店17.1%、その他小売業30.1%以外が50%を超えている。
また「センターフィーの要請」には、「全て応じざるをえない」と「ほとんど応じている」の合計は63.6%となっており、ほとんどの業態で高く、「物流センターを使用するという実態があるため『ゼロ回答』はしにくいと考える企業が多いと推測される」としている。
センターフィーの負担と物流センターに一括納入することによる自社のコスト削減分との関係について、「コスト削減分を大幅に上回る負担」が17.8%、「コスト削減分を若干上回る負担」が33.1%となっており、コスト削減分を上回るという回答が合わせて50.9%と半数を超えている。これも前に触れた禁止行為の第8項に「抵触する事例が相当数存在するとみられる」と分析している。
重要な記事
最新の記事
-
【注意報】水稲に斑点米カメムシ類 県内全域で多発のおそれ 高知県2024年7月16日
-
【注意報】イネカメムシ 県内全域で多発のおそれ 鳥取県2024年7月16日
-
30年目を迎えたパルシステムの予約登録米【熊野孝文・米マーケット情報】2024年7月16日
-
JA全農、ジェトロ、JFOODOが連携協定 日本産農畜産物の輸出拡大を推進2024年7月16日
-
「雨にも負けず塩にも負けず」環境変動に強いイネを開発 島根大学・赤間一仁教授インタビュー2024年7月16日
-
藤原紀香がMC 新番組「紀香とゆる飲み」YouTubeで配信開始 JAタウン2024年7月16日
-
身の回りの国産大豆商品に注目「国産大豆商品発見コンクール」開催 JA全農2024年7月16日
-
秋元真夏の「ゆるふわたいむ」鹿児島県で黒酢料理を堪能 JAタウン2024年7月16日
-
【役員人事】ジェイエイフーズおおいた(6月25日付)2024年7月16日
-
【人事異動】ジェイエイフーズおおいた(4月1日付)2024年7月16日
-
日清食品とJA全農「サプライチェーンイノベーション大賞」で優秀賞2024年7月16日
-
自然派Style ミルクの味わいがひろがる「にくきゅうアイスバー」新登場 コープ自然派2024年7月16日
-
熊本県にコメリパワー「山鹿店」28日に新規開店2024年7月16日
-
「いわて農業未来プロジェクト」岩手県産ブランドキャベツ「いわて春みどり」を支援開始2024年7月16日
-
北海道で農業×アルバイト×観光「農WORK(ノウワク)トリップ」開設2024年7月16日
-
水田用除草ロボット「SV01-2025」受注開始 ソルトフラッツ2024年7月16日
-
元気な地域づくりを目指す団体を資金面で応援 助成総額400万円 パルシステム神奈川2024年7月16日
-
環境と未来を学べる体験型イベント 小平と池袋で開催 生活クラブ2024年7月16日
-
ポーランドからの家きん肉等の一時輸入停止を解除 農水省2024年7月16日
-
JAタウンのショップ「ホクレン」北海道産メロンが当たる「野菜BOX」発売2024年7月16日