食品表示、TPP妥結前に基準化を パルシステム2014年8月18日
情報不足など指摘
生協のパルシステム連合会は8月8日、消費者委員会食品表示部会がまとめた「食品表示基準(案)」に対する国民からの意見募集(パブリックコメント)へ、「分かりやすい表示の一元化は歓迎しますが、情報に不足があると考えます」という内容の意見書を提出した。
政府の消費者委員会食品表示部会は、2013年6月の食品表示法に基づき6月25日に「食品表示基準(案)」をとりまとめ、国民からの意見を募集している。
パルシステムでは、この「基準(案)」について、要旨「食品表示の一元化に対しては歓迎しますが、消費者の選ぶ権利を保証するための情報に不足があると考えます。特に、基準(案)で先送りにされている遺伝子組み換え、原料原産地、食品添加物などの各表示については、TPP加入で新たな規制を設けることが困難となる可能性が懸念され、現時点での基準化が必要です」という内容の意見を消費者庁に提出した。要求した項目は、以下の通り。
1.遺伝子組換え食品の表示を基準に入れ、EU並みの表示とすること。
2.クローン食品、照射食品の表示を義務付けること。
3.アレルギー表示はわかりやすい一括表示、表示拡大を行なうこと。
4.原料原産地表示を表示基準に入れて拡大すること。
5.食品添加物表示を縮小させないこと。
◇
意見全文は以下の通り。
食品表示は食品の安全性確保や適正流通と共に、消費者の選ぶ権利を保証する情報として重要なものです。食品表示の一元化は、食品表示をわかりやすくするものとして、歓迎します。ただし、わかりやすさを優先して必要な表示が省略されることになれば本末転倒です。今回基準案に規定していない表示項目についても、先送りせず直ちに基準化することを要望します。具体的には以下の項目を要望します。
記
(1)遺伝子組み換え食品の表示を基準に入れ、EU並みの表示とすること
・遺伝子組み換え原料の使用有無は消費者の知りたい情報であるので、先送りせず直ちに表示基準に入れてください。
・現行の表示制度を見直してEUと同様に、DNA又は蛋白質の残留有無に関係なく、段階を踏まえて(最初は5%以上、期限をつけて最終的には0.9%以上の)遺伝子組み換え原料使用食品に「遺伝子組み換え」の表示義務付けを要望します。
・DNA又は蛋白質の残留に関して分析の可否が理由とされていますが、原材料段階での表示も義務付ければ表示にも規制にも問題ないと考えますので、見直しを要望します。
(2)クローン食品、照射食品の表示を義務付けること
・クローン食品、照射食品のように安全性に関して意見の分かれている食品は、遺伝子組み換え食品同様、消費者が選択をするために、直ちに表示基準に入れて、表示の義務付けを要望します。
・クローン食品、照射食品の表示は、使用原材料についても義務付けを要望します。
(3)アレルギー表示はわかりやすい一括表示、表示拡大を行なうこと
・アレルギー表示は現行の表示制度を見直し、原材料とは別に欄を設けて、有無の表示をするよう要望します。弊会は商品カタログでアレルゲンを略称で別記していますので、参考にして検討されることを要望します。
・現行の推奨品目も表示を義務化することを要望します。
・食品の原料を正確に認知できるとは限らないので、アレルゲン表示を省略できる特定加工食品は廃止に賛成します。
(4)原料原産地表示を表示基準に入れて拡大すること
・原料原産地表示を先送りせず直ちに表示基準に入れてください。
・原料原産地表示の対象は現在一部の分類に限定されていますが、原則として全食品を対象として、主要原材料の原産地の表示を義務付けるよう要望します。
・表示については「○○産または○○産」という複数併記と「産地限定せず」の表示を認めることが適切と考えます。
(5)食品添加物表示を縮小させないこと
・食品添加物表示は現行表示を縮小させることがないよう、要望します。
以上
(関連記事)
・地域の文化、暮らしを守る 協同組合の役割に期待する 星寛治・農民作家(2014.08.07)
・太陽光発電量 累計462万kwhに コープネット(2014.08.05)
・改革は「経済効率」よりも「地域に寄り添う」姿勢で 榊田みどり・農業・農政ジャーナリスト(2014.08.05)
・川内原発再稼働に反対 パルシステム生協連がパブコメ(2014.08.01)
・「森の産直」で新商品開発 パルシステム(2014.07.17)
重要な記事
最新の記事
-
【令和6年度 鳥インフルエンザまとめ】2025年1月22日
-
【特殊報】チャ、植木類、果樹類にチュウゴクアミガサハゴロモ 農業被害を初めて確認 東京都2025年1月22日
-
【新年特集】2025国際協同組合年座談会「協同組合が築く持続可能な社会」(1)どうする?この国の進路2025年1月22日
-
【新年特集】2025国際協同組合年座談会「協同組合が築く持続可能な社会」(2) どうする?この国の進路2025年1月22日
-
【新年特集】2025国際協同組合年座談会「協同組合が築く持続可能な社会」(3) どうする?この国の進路2025年1月22日
-
【新年特集】2025国際協同組合年座談会「協同組合が築く持続可能な社会」(4) どうする?この国の進路2025年1月22日
-
禍禍(まがまが)しいMAGA【小松泰信・地方の眼力】2025年1月22日
-
鳥インフル 英イースト・サセックス州など4州からの生きた家きん、家きん肉等 輸入を一時停止 農水省2025年1月22日
-
【JAトップ提言2025】消費者巻き込み前進を JAぎふ組合長 岩佐哲司氏2025年1月22日
-
【JAトップ提言2025】米も「三方よし」精神で JAグリーン近江組合長 大林 茂松氏2025年1月22日
-
京都府産食材にこだわった新メニュー、みのりカフェ京都ポルタ店がリニューアル JA全農京都2025年1月22日
-
ポンカンの出荷が最盛を迎える JA本渡五和2025年1月22日
-
【地域を診る】地域再生は資金循環策が筋 新たな発想での世代間、産業間の共同 京都橘大学教授 岡田知弘氏2025年1月22日
-
「全日本卓球選手権大会」開幕「ニッポンの食」で応援 JA全農2025年1月22日
-
焼き芋ブームの火付け役・茨城県行方市で初の「焼き芋サミット」2025年1月22日
-
農のあるくらし日野のエリアマネジメント「令和6年度現地研修会」開催2025年1月22日
-
1月の「ショートケーキの日」岐阜県産いちご「華かがり」登場 カフェコムサ2025年1月22日
-
「知識を育て、未来を耕す」自社メディア『そだてる。』運用開始 唐沢農機サービス2025年1月22日
-
「埼玉県農商工連携フェア」2月5日に開催 埼玉県2025年1月22日
-
「エネルギー基本計画」案で政府へ意見 省エネと再エネで脱炭素加速を パルシステム連合会2025年1月22日