国産市場が縮小 輸出を重視 ジェトロが輸出に関して調査2015年4月16日
ジェトロ(日本貿易振興機構)は、輸出をしている、または輸出に関心のある国内の農林水産物・食品企業2251社・団体に対して、輸出への考え方や課題を明らかにするアンケート調査を、今年1月に実施し、615社・団体から回答をえたが、その調査結果をまとめ公表した。
回答したのは、食料品や飲料・飼料など製造業が348(構成比56.6%)、卸売業200(32.5%)、農林水産業30(4.9%)、小売業17(2.8%)、サービス業7(1.1%)、不明・無回答13(2.1%)となっている。
このうち71.9%の事業者が「現在、輸出をしている」、12.0%が「以前、輸出していた」と回答。現在輸出をしている事業の61.3%が国内輸出商や海外のバイヤーなどを通じて「間接輸出」している一方で、約半数220社(49.8%)が直接輸出している。
回答社の81.9%が「輸出戦略を重視」しているが、そのきっかけは69.6%252社が「国内市場が縮小し、海外販路開拓が不可欠となったため」と回答している。
また、今後3年後の農林水産物・食品輸出については、「現在の輸出規模の拡大を検討」が最も多く55.9%、「現在の輸出規模を維持する」13.5%、「現在輸出していないが、今後輸出を始める予定」7.8%となっている。その理由として「日本食品の人気」を68.4%の事業者があげている。
輸出にあたっての課題・問題点について、「現地の制度について課題・問題点を感じる国・地域」としては、中国53.4%、米国34.4%、韓国31.4%、EU30.3%、台湾26.2%が挙げられている。
具体的な課題としては、全体では「現地の規制・規則の理解が困難」がもっとも多く55.4%、次いで「現地の最新情報の入手が困難」36.9%、「必要書類の準備、作成に時間がかかる」35.5%、「原発事故関連の規制により輸出が困難」31.9%、「添加物規制が日本と異なる」31.2%、「制度変更が頻繁に行われる」31.2%などがあげられている。
国・地域別にみると、「現地の規制・規則の理解…」が多いのは中国58.1%、米国40.8%、台湾37.1%。「現地の最新情報の入手…」では香港36.4%、EU37.3%、米国27.6%。「必要書類の準備、作成…」では、中国39.8%、韓国31.7%。「原発事故関連…」では、韓国43.2%、中国41.1%。「添加物規制…」では、香港51.9%、EU35.8%、台湾31.0%となっている。
事業別にみた課題・問題点は表1の通り。
また、「消費者の嗜好(好み)」(72%)や「消費トレンド・流行・売れ筋商品」(52.9%)、「日本商品の売れ筋」(51.1%)など、輸出先の消費者の嗜好や消費トレンド・売れ筋情報が不足しているとしている。
事業別に見た不足している輸出先消費者の情報は表2の通り。
輸出先での競合相手は、輸出先に関わらず、中国、韓国の企業が多い。競合企業の強みは、「価格」「物流・販売ルート」とされ、一方、国内企業の強みとしては「品質の高さ」「ブランド力」を挙げている。
表:現地制度について感じている課題・問題点(一事業体で輸出額が最も多かった品目別)
※画像をクリックするとPDFファイルが開きます
表:不足している輸出先消費者の情報(一事業体で輸出額が最も多かった品目別)
※画像をクリックするとPDFファイルが開きます
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(131)-改正食料・農業・農村基本法(16)-2025年3月1日
-
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践(48)【防除学習帖】第287回2025年3月1日
-
農薬の正しい使い方(21)【今さら聞けない営農情報】第287回2025年3月1日
-
【青年大会特集座談会】国の礎「食」を支える自負を(2)京大藤井聡教授・田中均組合長・久保田治己氏2025年2月28日
-
【青年大会特集座談会】国の礎「食」を支える自負を(3)京大藤井聡教授・田中均組合長・久保田治己氏2025年2月28日
-
【米の食味ランキング】猛暑・残暑で西日本のランク落ち目立つ 徳島南部コシヒカリは初の「特A」2025年2月28日
-
【JA全国青年大会】JA青年の主張 最優秀賞に谷本弾さん(JAあきた北青年部)2025年2月28日
-
全農 政府備蓄米入札への応札方針決める2025年2月28日
-
(424)「米国農務省の長期見通し」雑感【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年2月28日
-
大谷翔平選手が「ファミリーマートおむすびアンバサダー」就任「ぼんご監修おむすび」新発売2025年2月28日
-
東北農林専門職大学、南東北クボタと「スマート農林業」で連携協定締結 山形県新庄市2025年2月28日
-
【役員人事】JA三井リース(4月1日付)2025年2月28日
-
「令和7年2月17日からの大雪」農業経営収入保険の支払い期限を延長 NOSAI全国連2025年2月28日
-
宮崎ガス「カーボン・オフセット都市ガス」のJクレジットを媒介 農林中金2025年2月28日
-
農機の装備や販社連携、オンライン企画一体で農作業安全を推進 クボタ2025年2月28日
-
チラシやHP、SNSで農作業の安全を啓発 体験型研修も実施 ヤンマーアグリ2025年2月28日
-
安全装置を採用、機種別広報で農作業安全を啓発 三菱マヒンドラ農機2025年2月28日
-
農業女子プロジェクトや社外研修でも農作業安全を啓発 井関農機2025年2月28日
-
農業用窒素固定菌資材「エヌキャッチ」 キャンペーン ファイトクローム2025年2月28日
-
【役員人事】雪印メグミルク(4月1日付)2025年2月28日