移住希望者に無料で農業体験 曽於市移住応援プロジェクト2015年8月24日
曽於市移住応援プロジェクト(鹿児島県)は、農村地域への移住を希望する曽於市外の人たちに、4月から農業体験ができる宿泊プランを提供している。曽於市の自然や観光地を知ってもらい、移住検討の判断材料にしてもらうことがねらい。体験費用は曽於市が全額負担する。
宮崎県との県境に位置する鹿児島県曽於市で、田舎暮らしを体験できるプロジェクトが実施されている。市内観光や農業体験、地元料理が味わえるという内容で、2泊3日、6泊7日、1か月の3つのコースから選んで参加する。地元料理は野菜の入った田舎料理で、季節によっては猪肉が入ることも。
◆県外からの移住、すでに2人
このプロジェクトは、3年前から行われている「たからべ森の学校」(職業訓練施設)の農業人材育成科に東京や大阪など県外からの問い合わせが多かったことがきっかけで設立された。
実際に県外から移住した人は、学校の農業訓練に通っていた卒業生が2人いる。
移住を決めた場合は、たからべ森の学校で訓練を受けたり、曽於市に住んで、勤務先は車で30分で通える宮崎県都城市にしたりと自分に合った生活スタイルを考えることができる。キャリアコンサルタントに相談しながら、安定した就業と定住を目指す。
住居に関しては、プロジェクトのホームページで空き家情報を提供をする予定。
◆「田舎で農業をしたい」問い合わせは若者多い
農業人材育成科の受講に関する問い合わせは、20代や40~50代が多い。
職業訓練の定員15人のうち現在、半分は曽於市在住、それ以外は宮崎や鹿児島など曽於市外から来た人が集まっている。農業訓練の卒業生のうち、現在も農業に携わっている人は12人で、農業生産法人や農業試験場、新規就農などで働いている。
学校の訓練期間は6か月で、基礎知識(座学)や実習などを行う。特徴は、パソコンも同時に学べる点で、日誌入力や栽培管理、販売実習を行う際のPOP作成やネット販売のページ作成を高年齢の訓練生に対するケアも含めて行っている。
栽培実習は、地域で栽培しているものを取り入れ、ニンジンやダイコンといった根菜類をはじめ、甘藷などの芋類、ハクサイなどの葉野菜、トマトなどの果菜など、多品目の野菜を露地栽培で育てている。聖護院大根などの伝統野菜の栽培に挑戦することもある。
田舎暮らし体験も同じ学校で行うため、体験内で扱う栽培作物などに大きな差はない。
(写真)たからべ森の学校での農業訓練
◆曽於市の農業産出額は345億円
曽於市は平成17年度の農業産出額が345億円で、全国で9位になっている。農業産出額の過半を畜産業が占め、飼料作物や野菜などを栽培する農業が続く。総農家数はここ10年の間に23%減少。大規模農家の増加などで農業経営の効率化が図られている。
畜産は初期費用が高く、一人で始めることは難しいが、耕種農業は個人でも初期費用を抑えて始めることができる。田舎暮らし体験では、実際に就業を考えるときの支援として、農業を含めた体験が行われている。
今後、移住者が増えれば、耕作放棄地や空き家の利用も検討している。
※曽於市までの交通費・曽於市滞在期間中の宿泊費・食事(朝・夕食)は体験費用に含まれていないため各自で負担する。
◎曽於市のホームページ
◎曽於市移住応援プロジェクトのホームページ
重要な記事
最新の記事
-
【2025国際協同組合年】「協同組合っていいかも!」 若い世代へ発信を 連続シンポ第6回2025年10月15日
-
イネカメムシをムシヒキアブが捕食 「天敵」防除に可能性 有機農研シンポで報告2025年10月15日
-
平成の大合併と地方自治【小松泰信・地方の眼力】2025年10月15日
-
公開シンポ「わが国の農業の将来を考える」11月1日開催 日本農学アカデミー2025年10月15日
-
令和7年度加工食品CFP算定ロールモデル創出へ モデル事業の参加企業を決定 農水省2025年10月15日
-
西崎幸広氏ら元プロ野球選手が指導「JA全農WCBF少年野球教室」草津市で開催2025年10月15日
-
元卓球日本代表・石川佳純が全国を巡る卓球教室 三重で開催 JA全農2025年10月15日
-
新米など新潟県特産品が「お客様送料負担なし」キャンペーン実施中 JAタウン2025年10月15日
-
秋元真夏の「ゆるふわたいむ」マロンゴールドで鹿児島の郷土料理「がね」を調理 JAタウン2025年10月15日
-
みなとみらいでお芋掘り「横浜おいも万博2025」さつまいも収穫体験開催2025年10月15日
-
JA全農京都×JA全農兵庫×JA全農ふくれん「ご当地ピザ」セット販売 JAタウン2025年10月15日
-
2027年国際園芸博にタイ王国が公式参加契約2025年10月15日
-
「水田輪作新技術プロジェクト」キックオフフォーラム開催 農研機構2025年10月15日
-
「第77回秋田県農業機械化ショー」にSAXESシリーズ、KOMECTなど出展 サタケ2025年10月15日
-
「直進アシスト搭載トラクタ」がみどり投資促進税制の対象機械に認定 井関農機2025年10月15日
-
東京駅「秋の味覚マルシェ」で新米や採れたて野菜など販売 さいたま市2025年10月15日
-
県民みんなでつくる「白米LOVE」公開 ごはんのお供をシェア 兵庫県2025年10月15日
-
16日は「世界食料デー」賛同企業など「食」の問題解決へランチタイムに投稿2025年10月15日
-
農機具プライベートブランド「NOUKINAVI+」公式サイト開設 唐沢農機サービス2025年10月15日
-
年に一度の幻のじゃがいも「湖池屋プライドポテト 今金男しゃく 岩塩」新発売2025年10月15日