スマホ対応、軽減税率で市場が拡大 外食デリバリー、テイクアウト市場2019年12月4日
総合マーケティングビジネスの(株)冨士経済は市場拡大が続く外食産業のデリバリー、テイクアウトの国内調査市場を調査した。
この調査では4カテゴリー32業態のデリバリーおよびテイクアウト市場の現状を調査し、その結果を「外食デリバリー&テイクアウトサービス市場の将来展望2019」にまとめた。
この調査による外食デリバリーとテイクアウト市場の概要は以下の通り。
■外食デリバリー、外食テイクアウトの国内市場
◆外食デリバリー2936億円(4.9%増)
UberEats、出前館などのデリバリー仲介サービス事業者が積極的に展開し、配送ツールを持たない店舗でもサービス提供が可能になったほか、スマートフォンアプリやSNSを通したプロモーションにより消費者の利用促進が図られていることも影響している。
2019年の市場は2936億円を見込んでいる。
業態別ではそば・うどん、すしは従来から一定の出前需要があるが、現在は宅配専門店である宅配ピザ、宅配寿司の規模が大きい。
一方、ハンバーガー、カレーショップ、牛丼などのファストフードが急激に伸び、特に牛丼が大きく伸長しているようだ。
2019年以降ではラーメン、ステーキの伸びが期待されるという。
◆外食テイクアウト6014億円(3.6%増)
ハンバーガー、チキン、牛丼などのファストフードが市場の8割を占め、苦戦が続いていたハンバーガーが復調してきていることや牛丼や回転寿司の好調により今後の市場は拡大傾向にあるようだ。
2017年以降にインターネット、スマートフォンアプリでの予約システムの導入が進み、更に電子決済機能との連動による利便性の高さが消費者に受け入れられているようだ。
軽減税率が適用されるテイクアウトの税率8%は割安なイメージが持たれているため利用増加の追い風になるとみられている。
2019年の市場は6014億円を見込んでいる。
業態別ではファストフードの割合が多くを占め、ハンバーガー、チキン、牛丼、回転寿司などの規模が大きい。
また、宅配専門店の宅配ピザは人手不足の問題からテイクアウトにも注力しており、これも堅調に伸びている。
◆牛丼とラーメンに注目
この調査では、牛丼とラーメンを今後注目される市場とみている。
●牛丼(ファストフード)
2017年初頭から大手チェーンがデリバリーを開始し、対応店舗を大幅に増やしたことから市場は大きく拡大した。
2019年に入ってからはデリバリー仲介サービスの利用や、大幅なディスカウントキャンペーンが好調で、市場は2018年比31%増を見込んでいる。
テイクアウトは以前から店舗を利用しづらさを感じる女性層などの需要があったが、2019年は大手チェーンが利用拡大に向けた取り組みを進めた。
キャッシュレス決済の広がりも利用を後押しし、市場は2018年比2.4%増が見込まれている。
●ラーメン(ファストフード) 個人中華料理店では狭い商圏で行われてきたが、大手チェーンでは2018年後半からデリバリーが本格化している。
配送ノウハウ向上により順調に利用者が増えており、今後の市場拡大が期待されている。
テイクアウトは餃子やからあげなどのサイドメニューを中心に今後も堅調な拡大が予想され、テイクアウト予約システム等の利便性の高さから利用者の増加が期待されている。
<調査方法>
冨士経済専門調査員による参入企業および関連企業・団体などへのヒアリングおよび関連文献調査、社内データベースを併用
<調査期間>
2019年7月~9月
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