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注目されるDHA/EPA市場 天然由来有用成分・素材の市場調査結果 富士経済2020年2月27日

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 総合マーケティングビジネスの富士経済は、DHA/EPAやL-アルギニンなどの天然由来の有用成分や素材に関する市場調査を行った。動物系14品目、植物系20品目、合成系6品目に加え、今後の需要増加が期待される有望素材10品目の市場を調査・分析し、将来を展望。また、健康・美容に関する悩みや、機能性素材・成分における認知度、効果・効能の体感性、今後の使用意向などを把握するための消費者アンケート調査も実施した。

 生物由来有用成分・素材40品目の2019年の市場見込みは2163億円で、2018年比6.3%増。日々のセルフケアとして需要は増加しており、生活習慣病関連、脳機能関連、整腸関連、スポーツ関連のほか、AGEs(終末糖化産物)対策や細胞活性を訴求したアンチエイジング関連、口臭や体臭対策を目的にしたエチケット関連が好調。また、更年期障害やPMS(月経前症候群)対応を訴求したホルモンバランス関連、ストレスケア、睡眠の質改善、うつ対策を想定したメンタル関連なども伸びている。


◆DHA/EPA市場
 中でも注目は、食品、化粧品・トイレタリー、医薬品・医薬部外品、その他ペットフードなどに使用されるDHA/EPAの市場。2019年の見込みが300億円で2018年比22.0%増。2026年予測は441億円で2018年比79.3%増となった。
 DHAやEPAの脳や循環器機能への影響に関する研究は歴史が長く、高齢化が進む日本では需要の高い素材。DHAは脳の発達促進機能があり、育児用粉ミルクのほか、脳機能向上を目的にしたサプリメントなどで採用されている。
 一方、EPAは脂質代謝の正常化、抗炎症、血管質の改善機能などが認められており、医薬品用途としての需要が増加している。海外の臨床試験では、高濃度EPAの心血管関連の疾患リスクを大幅に低減するという結果もあり、医薬品用途でさらに需要増加が期待される。


◆L-アルギニン市場
 2019年の見込みは36億円で2018年比5.9%増。2026年予測は42億円で2018年比23.5%増となった。
 L-アルギニンは、2014年から2015年にかけてパワーチャージや疲労回復を訴求したエナジードリンクが若年層を中心にブームとなったことで、市場が拡大した。ブームは落ち着いたが、エナジードリンクの需要が定着し、東京五輪前でスポーツドリンクやサプリメントなどスポーツニュートリション分野の開発商品と、精力強化関連商品での需要が増加しており、市場は拡大している。
 スポーツニュートリション分野や精力強化関連商品の需要に加え、L-アルギニンには血流改善の機能もあることから、医療食・介護食としての需要増加が予想され、今後も市場は拡大していくとみられる。


◆エクオール市場
 2019年の見込みが17億円で2018年比13.3%増。2026年予測は29億円で2018年比93.3%増。
 エクオールは別名スーパーイソフラボンと呼ばれ、大豆イソフラボンに含まれるダイゼインが腸に吸収される際、腸内細菌の一種であるエクオール生産菌がダイゼインをエクオールに変換することで生成される。現状は、大塚製薬が自社商品用に生産しているものと、ダイセルが外販しているものの2種類のみ。
 2015年に放送されたテレビ番組で、腸内細菌が作るエクオールにより更年期症状の改善や目じりのしわが浅くなったというエビデンスが紹介されたことで注目度が高まった。40代から50代の更年期女性にターゲットが限定されるが、利用者の定着率は高いことから啓発活動による認知度の向上が、今後さらなる市場拡大につながるとみられる。


◆イヌリン市場
 2019年の見込みが19億円で2018年比46.2%増。2026年予測は30億円で2018年比2.3倍。 イヌリンは多糖類の一種に分類され、大腸内の細菌叢においてはじめて消化される水溶性食物繊維。食品の物性改良のほか、血糖値上昇抑制機能や腸内のビフィズス菌を増殖させる生理機能を持つ。
 低糖質食品における砂糖の代替素材やパンや麺などの物性改良を中心とした採用だったが、近年、ビフィズス菌増殖を目的にヨーグルトのほか、整腸素材の主体である有用菌を配合した食品との複合用途で大幅に需要が増加し市場は拡大している。 また、食物繊維、有用菌のサプライヤーが参画して整腸に関するコンソーシアムを立ち上げるなど啓発活動が活発化しており、今後も市場の拡大が期待される。


◆消費者アンケート調査
 男女5000人を対象に聞いた「消費者における美容・健康機能に関する悩み・トラブルランキング」では、 総合回答率が最も高かった悩み・トラブルは、「肌(シミ、シワ、乾燥、老化、ニキビなど)」(46.6%)。次いで「目(疲れ目、ドライアイなど)」(31.6%)、「肉体疲労(肩こり、首こり、眼精疲労)」(30.9%)となった。
 男性で回答率が最も高かったのは「目」(25.5%)で、回答率が30%を超える項目はなかった。一方、女性では「肌」(68.9%)を筆頭に「肉体疲労」「目」「髪の美容(つや、枝毛、ダメージなど)」の4項目で回答率が30%を超えた。
 一方、「消費者における機能性成分・素材100品目の認知度ランキング」では、総合回答率で認知度が最も高かったのは「コラーゲン」(54.8%)で、「コラーゲン」は男女ともに首位と認知度の高さがうかがえる。次いで「ポリフェノール」(50.1%)、「乳酸菌・ビフィズス菌」(49.9%)、「ヒアルロン酸」(48.9%)、「ローヤルゼリー」(48.8%)となった。

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