6年連続すべて不検出 家庭の食事からの放射性物質摂取調査結果 日本生協連2020年3月6日
日本生活協同組合連合会(日本生協連)は、2011年度から9年間継続して「家庭の食事からの放射性物質摂取量調査」を行っている。今回の調査でも放射性セシウムは不検出で、2014年度以降6年連続で不検出だった(図表1参照)。
厚生労働省が設定した放射性セシウムの基準値と今回調査の検出限界の比較
今回の2019年度調査は、2019年6月19日から20年2月3日までの期間に、全国17都県の生協組合員235世帯の家庭の協力を得て、普段の食事2日分の235サンプル(うち福島県の100世帯100サンプルを含む)を検査した(手順は図表2参照)。
2019年度に調査を行ったすべてのサンプルで、検出限界以上の放射性セシウムは検出されなかった。
2013年度までの各年度はいずれも放射性セシウムを検出したサンプルがあったが、検出割合、放射性セシウムの最大値は、年度を追うごとに減少しており、14年度以降は6年連続で不検出となっている(図表3)。
検出したサンプルの放射性セシウム(1kg当たり)検出量の分布図
──2014年度以降不検出が続く。
日本生協連は、9年間で2829サンプルを調査した結果から、放射性セシウムを1kg当たり1ベクレル以上を含む食事を継続して食べ続けている可能性は極めて低いと推察されるとしている。
また、2011年度からの調査で、放射性セシウムを検出した食事を1年間継続して食べ続けたと仮定した場合の内部被ばく線量をサンプルごとに推定し、年度ごとに比較している(図表4)。
内部被ばく線量の最大値は、2011年度から13年度にかけて徐々に低くなっており、14年度からは放射性セシウムを検出しなかったことから、内部被ばく線量はさらに低下していると考えられるという。
なお、原発事故に関係なく食品中に含まれる放射性カリウム(カリウム40)の測定結果は1kg当たり11~64ベクレルとなり、過去8年間と同等のレベルだった。
なお、食品サンプルを提供した生協組合員が同調査のアンケートに記入している内容を見ると、次のような声がある。
▽「特に自家製の野菜や梅干しなどに、どの程度含まれているのか、わからないため不安があり調査してみたいと思いました。子どもたちの未来の環境を守るために調査は大切で、この結果やこうした取り組みをもっと世の中に発信してほしいと思います。」
▽「1つ1つ丁寧に検査して頂いていることを聞いたので感謝しています。まだ不安に思っている方も中にはいるようですので、是非教えてあげたい試みであると思っています。」
▽「今まで正直、放射能についてよくわからないままテレビやネットで危険などと報道されていたので、そういった印象を持っていました。ですが、こういった今までのデータを踏まえて放射能について自分で理解し判断することが大事なのだなと考えさせられ勉強になりました。」
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(118) -改正食料・農業・農村基本法(4)-2024年11月16日
-
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践 (35) 【防除学習帖】第274回2024年11月16日
-
農薬の正しい使い方(8)【今さら聞けない営農情報】第274回2024年11月16日
-
【特殊報】オリーブにオリーブ立枯病 県内で初めて確認 滋賀県2024年11月15日
-
農業者数・農地面積・生産資材で目標設定を 主食用生産の持続へ政策見直しを JAグループ政策要請①2024年11月15日
-
(410)米国:食の外部化率【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2024年11月15日
-
値上げ、ライス減量の一方、お代わり無料続ける店も 米価値上げへ対応さまざま 外食産業2024年11月15日
-
「お米に代わるものはない」 去年より高い新米 スーパーの売り場では2024年11月15日
-
鳥インフル 米オレゴン州からの生きた家きん、家きん肉等 輸入を一時停止 農水省2024年11月15日
-
「鳥インフル 農水省、ハンガリー2県からの家きん・家きん肉等の輸入を14日付で一時停止」2024年11月15日
-
「鳥インフル 農水省、ハンガリー2県からの家きん・家きん肉等の輸入を13日付で一時停止」2024年11月15日
-
鳥インフル 米ワシントン州からの生きた家きん、家きん肉等 輸入を一時停止 農水省2024年11月15日
-
南魚沼産コシヒカリと紀州みなべ産南高梅「つぶ傑」限定販売 JAみなみ魚沼×トノハタ2024年11月15日
-
東北6県の魅力発信「食べて知って東北応援企画」実施 JAタウン2024年11月15日
-
筋肉の形のパンを無料で「マッスル・ベーカリー」表参道に限定オープン JA全農2024年11月15日
-
「国産りんごフェア」全農直営飲食店舗で21日から開催 JAタウン2024年11月15日
-
農薬出荷数量は3.0%減、農薬出荷金額は0.1%減 2024年農薬年度9月末出荷実績 クロップライフジャパン2024年11月15日
-
かんたん手間いらず!新製品「お米宅配袋」 日本マタイ2024年11月15日
-
北海道・あべ養鶏場「旬のりんごとたまごのぷりん」新発売2024年11月15日
-
日本各地のキウイフルーツが集まる「キウイ博」香川県善通寺市で開催2024年11月15日