企業版SDGs調査トップ100発表 1位トヨタ、2位アサヒビールなど ブランド総合研究所2020年4月13日
調査とコンサルティングを専門に行う、ブランド総合研究所(東京都港区)は、国内の有力企業210社のSDGsへの取り組みやESG活動を消費者視点で評価する「企業版SDGs調査」を行い、トップ100社を発表した。調査は、3月5日~11日にかけて行われ、消費者やビジネスマン、投資家など計1万500人の回答を得た。有効回答数は9561人。
調査の結果、消費者からSDGsへの取り組みが最も高く評価された企業はトヨタ自動車。同社の社会貢献(CSR)活動や科学技術、世界平和、法令順守などのESG活動が評価されたことが要因で、投資意欲でも1位となった。
SDGsへの取り組み評価の2位以下はアサヒビール、旭化成、サントリー、パナソニックが続いた。
各社の具体的なESG活動がSDGsの取り組み評価につながっている一方、各社の取り組みを「知らない、わからない」と答える人が多く、SDGsに関する情報をいかに利害関係者に伝えていくかが今後の課題であることが浮き彫りとなった。
<調査結果の概要>
◆1位はトヨタ。ESG評価も1位
トヨタ自動車は1割を超える10.3%から同社がSDGsに「本格的に取り組んでいる」と評価されたほか、16.7%が「少し取り組んでいる」と評価。社会貢献(CSR)活動のほか、科学技術、世界平和、法令順守の4つのESG活動の項目でも1位となり、ESG活動20項目の総合評価でも1位となった。
2位はアサヒビールで、20項目のESG活動のうち1位となったものはなかったが、公平な取引、働き方改革など多くの項目で高い評価を得た。
3位の旭化成はホームページなどでSDGsへの重要性を積極的に発信しているなどにより、特にSDGs認知者からの高い評価につながっている。また、4位のサントリーは、環境活動、社会貢献、文化・芸術活動の情報発信がいずれも1位。環境への取り組みの評価も1位となっており、SDGsを認知していない人も含めて幅広い層から高い評価を得た。
5位のパナソニックは「生活を豊かにしている」や「高齢者や障がい者にやさしい」などの評価が高いのが特徴。こうしたSDGsへの高い評価が就職意欲(1位)、投資意欲(2位)などにつながっている。
◆SDGsの認知は進まず。210社平均では14%が評価
回答者のSDGsへの認知状況を聞いたところ、「SDGsの趣旨および詳細な内容について知っている」と答えた人は5.4%。「主な内容は知っている」は11.2%、「趣旨は知っている」は7.2%で、合計23.9%が認知しているという結果だった。これは、SDGsという「名称だけは知っている」15.1%を加えるとおよそ4割で、残りの6割以上は「知らなかった」と答えている。
このことから、SDGsの認知および理解は、まだ十分には浸透していないといえる。
また、各社のSDGsへの取り組みについての評価は、「本格的に取り組んでいる」と答えた人は210社の平均で4.4%、「少し取り組んでいる」は10.1%。各社の取り組みを評価しているのは計14.5%で、まだまだ理解・普及にはつながっていない状況が明らかになった。
◆企業のESG活動でSDGsに影響が大きいのは環境活動。スポーツや公平取引も影響大
SDGsへの取り組み評価の高い企業は、ESG活動評価も高い傾向にある。各社のESG活動(20項目)がSDGs評価にどのように影響しているのかを重回帰分析を使って解析した結果、最も影響が大きいのは「環境に配慮している」との評価。他の項目より影響度が飛びぬけて大きく、SDGsの取り組み評価に環境への活動が大きく影響していることがわかる。
次いで「生活を豊かにしている」や「スポーツや文化活動に熱心」、「公平な取引を行っている」の順で影響があることがわかった。
一方で「世界平和に貢献している」、「国際化が進んでいる」、「宇宙開発を推進している」などの項目は影響がみられなかった。
◆SDGs取組は投資意欲や好感度を高める効果
有力企業210社の中で、SDGsへの取組評価が高い100社(トップ100)とそうではない110社を比較したところ、各社の好感度はトップ100の平均では24.2点だったのに対し、それ以外では9.8点と2倍以上の差があった。
特にトップ100の平均では「とても好感が持てる」と答えた人が13.5%だったのに対し、それ以外では5.5%と大きな差になっている。
また、投資意欲でもトップ100の平均が19.8点に対し、それ以外では13.5点。特に「いま投資している」と答えた人の割合はトップ100では1.8%に対し、それ以外では1.6%とあまり差がなかった。「投資を検討している」についてはトップ100では14.5%に対し、それ以外では9.5%だった。
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