新型コロナ先行の中国 終息後は外食市場で「リベンジ的消費」 エヌピーディー・ジャパン2020年4月14日
外食・中食市場を調査・分析し消費者動向などの情報を提供するエヌピーディー・ジャパン(東京都港区)は4月13日、中国の外食・中食市場における新型コロナウイルスの影響分析レポートを公表した。
中国の外食・中食市場の2020年1~2月の売上高は、新型コロナウイルスの感染拡大により28%減となった。外食が控えられる中、出前の需要が大きく伸び、1月の出前市場規模は、前年同月比で20%以上増加。出前の利用シーンや店舗選択の理由にも変化があり、終息後には消費意欲を爆発させる「リベンジ的」消費が見られるという。
◎中国外食・中食市場の2020年1~2月の売上高は28%減
調査によると、春節の連休直前に新型コロナウイルスが発生した中国では、感染拡大により、22都市の外食・中食市場規模が、前年同期比で28.1%減少し、客数は、26.2%減少。例年なら繁忙期のフルサービスのレストランは、特に大きな影響を受け、一部のレストランは一時的に休業し、影響は2月いっぱい続いた。
◎出前の売上が20%以上増加、店の利用シーンや選択理由にも変化
外食が控えられる中、出前の需要が大きく伸び、1月の出前市場規模は前年同月比で20%以上増加した。2019年までの出前利用と比べ、シーンや店舗選択理由にも変化が見られ、グループでの喫食用、夕食用での出前利用が増加。これまで利用の少なかったファミリーの夕食や中高年層の新たな利用者が増えた。
また、店舗の選択理由では、価格やスピードより、料理のおいしさや好みの味を求めてレストランを選ぶ比率が高くなった。家にこもりきりになる中、これまでの外食の代わりに食の欲求や娯楽としての楽しみを出前に求めるようになったといえる。
◎終息後には「リベンジ的」消費
武漢市でのロックダウン開始から25日後の2月17日から、中国政府は、特定地域での通勤再開を許可し、2月末からレストランが業務の再開を始めた。外食などを我慢してきた消費者による「リベンジ的」消費で急激な回復が見られ、人気の鍋レストランやBBQレストラン、中国クイックサービスレストランなどには再開当日から長蛇の列ができた。
こうした結果から、The NPD Group(エヌピーディーグループ)の中国フードサービスエキスパートは、コロナウイルス感染拡大の影響からレストランが回復するためのポイントとして、4つの項目を挙げている。
(1)来客を増やすためのより割引率の高い価格割引を実施
職場再開に伴い、顧客を取り戻すためのプロモーションまたはマーケティング活動が必要
(2)ライブ動画配信サービスを活用し、ブランド認知を維持
消費者とのオンラインインタラクションを通じてブランドの愛着を高める
(3)新商品または新サービスでオンライン市場を拡大
消費者に衛生的で便利な食事環境と食品を提供、アピール
(4)ターゲットを据える
特定のシーンを訴求したグループ向けセット、または会社員・公務員の1人用の特別なセットを発売する
同調査のレポート本編(ダイジェスト版:全20ページ、無料)は、以下請求フォームからダウンロードできる。
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