2019年惣菜市場、0.7%増で10年連続プラス-惣菜協会調査2020年5月21日
日本惣菜協会は、2019年の中食・惣菜国内市場についてまとめた。「2020年版惣菜白書」として6月1日に発刊する。それによると、昨年の市場規模は前年比0.7%増の10兆3200億円となり、10年連続の拡大を示した。
調査は昨年1月から12月まで実施。消費者調査は、首都圏、近畿圏、中国・四国、北陸圏の4エリアで行った。回収数は5210(首都圏1552、近畿圏1554、中国・四国1315、北陸圏789)で、年代別では20代1029、30代1054、40代1032、50代1048、60代1047だった。
企業調査は6万8033店舗に対して実施。内訳は、百貨店42、総合スーパー(GMS)1416、スーパーマーケット3398、コンビニエンスストア(CVS)5万5407、専門店他7770となっている。
市場規模は2017年に10兆円を突破。2019年は伸びがやや鈍化したが拡大基調を維持している。食市場全体の中でも惣菜市場の成長は著しく、10年前と比べ27.3%拡大している。背景には、高齢化・核家族化・女性の社会進出等ライフスタイルの変化があり、これらを反映して惣菜の利用が増えているとみられる。
業態別では、CVSが前年比1.7%増の3兆3633億円、専門店他が同2.0%減の2兆8962億円、食料品スーパーが同2.2%増の2兆7407億円となり、3業種合計で全体の87.3%を占めた。その他の業態は、GMSが同1.7%増の9639億円、百貨店が同1.0%減の3560億円となっている。
業態別構成比をみると、シェアを増やしたのは3業態で、食品スーパーが前年比0.4ポイント増の26.6%、CVSが同0.3ポイント増の32.6%、GMSが同0.1ポイント増の9.3%。シェアが縮小したのは2業態で、専門店他が同0.7ポイント減の28.1%、百貨店が同0.1ポイント減の3.4%となっている。
カテゴリー別では、構成比45.7%でトップの米飯類が前年比1.0%減の4兆7123億円、次いで34.5%を占める一般惣菜が同2.9%減の3兆5565億円と前年を下回ったが、調理パンは同6.6%増の5523億円、調理めんは同17.5%増の6877億円、袋物総菜は同11.8%増の8109億円と伸長した。
消費者の動向は、半年間で3回以上購入した商品として3年前と比べ唐揚げが4.9ポイント、焼き鳥が8.3ポイントそれぞれ上昇。鶏肉が持つヘルシーイメージが購入頻度向上につながった模様。
一方、前年と比べおにぎりは1.7ポイント、サンドイッチは3.9ポイントそれぞれ下降。糖質に対する削減意識の高まりが反映されたとみられる。恵方巻は一部消費者の買い控えもあり、昨年と比べ関東が0.5ポイント、関西は4.1ポイントそれぞれ下降した。
購入頻度の最も高い惣菜は、1位が弁当で52.6%。2位はおにぎりの51・0%、3位はコロッケの41.4%となっている。スーパーマーケットにおける購入頻度の高い惣菜は、首都圏と近畿圏が1位コロッケ、2位にぎり寿司・巻寿司、3位唐揚げ。中国・四国と北陸圏は1位コロッケ、2位唐揚げ、3位にぎり寿司・巻寿司だった。
惣菜の月平均購入額は、各エリアとも1000円未満が最多。2000円以下が過半を占めているが、首都圏は他エリアに比べ購入額が多い。1品毎の単価の目安は各エリアとも200~300円未満が最も多く、選択基準は「おいしさ」が71.8%でトップ。以下「価格」が59.5%、「メニュー」が51.7%で続く。
広義の意味での惣菜は、2019年の調理食品支出が前年比4.4%増となっている(総務省家計調査、惣菜白書は調理冷凍食品とレトルト食品を除外)。また、2019年の冷凍食品国内生産量は前年比0.6%増で2年ぶりにプラスに転じた。この結果、中食市場は惣菜白書の0.7%よりも拡大していると想定される。
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