外食市場、2020年は縮小不可避-富士経済が調査2020年7月30日
富士経済(東京都中央区、清口正夫会長)の調べによると、2020年の外食産業の市場規模(見込み)は前年と比べ縮小することとなりそうだ。インバウンド需要などでに大きく拡大した2019年に対し、新型コロナウイルスの感染影響が広がった2020年は、店舗の時短営業や外出自粛要請などを背景に縮小不可避の情勢と分析している。業態別ではテイクアウト市場の拡大を見込んでいる。
外食産業市場の多角的な分析で定評のある調査で、結果の詳細は同社より発刊されている「外食産業マーケティング便覧2020 No.3」(A4判、253頁、書籍版11万円+税、PDF+データ版12万円+税、書籍/PDF+データ版セット14万円+税、ネットワークパッケージ版22万円+税)に詳しい。
7月28日に公表された結果の概要によると、2020年の外食産業の市場規模(見込み)は28兆5965億円。34兆2351億円だった前年値の83.5%となることが想定されている。
昨年は、若者の酒離れや宴会需要の低迷がみられた半面、テイクアウトやファストフード、さらにはインバウンド需要の高まりなどで外食産業市場が大きく拡大した。
一方、新型コロナウイルスの感染危惧が広がった2020年は、店舗の営業時間短縮や休業、不要不急の外出自粛要請による来店客数の減少などで前年比15%以上も落ち込む見込みだ。テイクアウトやデリバリーによる需要獲得が活発化しているが、政府の緊急事態宣言発出に伴う酒類提供の自粛などで飲料店の縮小には拍車がかかっている。
2019年は来店前にアプリで注文と決済を済ませ、来店して商品を受け取るモバイルオーダーの伸展が市場拡大に貢献。消費税率引き上げ(10月)というマイナス要因はあったものの、軽減税率が適用されたテイクアウトはイートインより割安感を生み、2018年から大幅な伸びをみせた。
モバイルオーダーの導入が多くの業態で進んだ2020年はテイクアウト市場のさらなる拡大が見込まれると分析している。
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