青果専用「適温蓄冷材」で物流革命 新配送システムの運用開始 パルシステム2020年8月4日
パルシステム、タニックス、シャープ3社は、配送に青果専用の「適温蓄冷材」を用い、 産地直送青果の品質を保持しながら、大幅な消費電力量低減と人手不足解消や働き方改革に貢献する新配送システムを構築。7月20日配達分から運用を開始した。青果配送を目的とした専用の蓄冷材(保冷剤)としては業界初の試みで「物流革命」をめざす。
パルシステムは、乳製品・総菜・精肉などの冷蔵品は年間を通じて、また、青果は春季から秋季(4月~11月)の期間、保冷配送をしている。冷蔵品 、青果とも0度(融点ー1度~1度)の蓄冷材を使用していることから、直接触れると青果が低温障害により凍結や変色などで傷んでしまうケースがある。そのため、0度の蓄冷材と青果の間に緩衝材を挿入することで品質劣化を防止していた。
新配送システムでは、シャープが液晶材料の研究で培った技術をベースに、青果配送に適した12度の「適温蓄冷材」を開発。「適温蓄冷材」を用いた 配送時の品質保持についてシャープとタニックスが検証を行い、パルシステムがトータルオペレーションを構築。また、保冷容器であるシッパー(発砲スチロール)を断熱性の高いものにリニューアルした。
パルシステムは「生産者が丹精込めて育てた安全・安心な産地直送青果を フレッシュな状態でお客様へお届けしたい」という思いから、「適温蓄冷材」を用いた新配送システムを構築し、青果物流を革新していく。
「適温蓄冷材」の導入に伴い、パルシステムでは消費電力量の 大幅な低減を図ることができる。従来、0度の蓄冷材の凍結には、強力な凍結性能を有する冷却器に加え、約18時間を必要とした。一方、12度の「適温蓄冷材」では、凍結時間の短縮とエネルギー負荷軽減により消費電力量が大幅に抑制され、省エネ やコスト削減につながる。さらに、青果と「適温蓄冷材」が接触しても低温障害にはならないので、緩衝材の挿入も不要になるなど、より効率的な運用が可能になった。
パルシステムは、「適温蓄冷材」の凍結にかかる電力使用量を40%程度削減できると試算。これは、一般家庭の電力消費量の約950世帯分に相当し、CO2排出量に換算するとお よそ2000トンの削減につながるという。
「適温蓄冷材」は2月にシャープが生産を始め、タニックスからパルシステムに納入。保冷効果の向上(長時間化)により、パルシステムではこれまで夜間に実施していた青果の仕分け作業を当日の午前中から実施できるようになり、人手不足の解消や働き方改革にも期待される。
また、新配送システムは、チルド食品向け物流拠点である熊谷センター(埼玉県熊谷市)の稼働開始(5月)にあわせて準備を進め、3月30日配達分から先行運用。7月20日配達分から相模センター(神奈川県愛甲郡)で本格的な運用を始めた。今後、準備でき次第、岩槻センター(埼玉県さいたま市)での運用も開始する。
<各社の役割>
・パルシステム
新配送システムのトータルオペレーションの構築、運用
・タニックス
仲介および新配送システムの機材選定 、調達、品質保持検証
・シャープ
青果専用12度の「適温蓄冷材」の開発 、生産、販売
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