台風被害状況 推定被害額1000万円超も ポケットマルシェ登録生産者2020年9月10日
全国の農家や漁師など生産者と消費者を直接繋ぐアプリ「ポケットマルシェ」を運営する(株)ポケットマルシェは、令和2年台風9号・10号の発生を受け、ポケットマルシェ登録生産者を対象に被害状況に関するアンケート調査を実施した。
調査は、9月7日から、ポケットマルシェ登録生産者3301人にウェブ上でアンケートを実施。令和2年台風9号・10号による被害状況の確認を進めており、9月8日現在、39人から回答を得ている。調査の結果は次の通り。
台風による生産物への影響度合い(n=39)
農業資材、生産物への被害を含めた推定被害額(n=20)
廃棄せざるを得ない生産物の発生割合(n=20)
具体的な被害状況としては、次の回答があった。
「活かしている商品が、停電などの影響で死滅してしまった。サザエ500キロ、アワビ50キロの被害」(長崎県松浦市星鹿町)
「ハウス15棟できのこの菌床栽培を行っているが、13棟が損壊。落下等により、収穫前のきくらげ、しいたけは廃棄せざるを得ない状況。栽培している5万本のうち、1万本程度が被害を受けている。推定被害額は約2000万円」(鹿児島県指宿市)
「オクラがすべて折れてしまった。また、バシルが根ごと抜け、バジルペーストの原料供給が不安。バジルは3000平米のうち約半分が厳しい状況」(長崎県諫早市)
「ミニ白菜は約5割が廃棄に。ラディッシュはほぼ全滅。 少量多品目なので面積は小さいが、全体的に廃棄が出る」(福岡県久留米市)
「一部施設(ハウス)に損傷があり、約0.8ヘクタールの圃場(栽培品約25種類)がほぼ壊滅状態。復旧に相当の時間が必要と考えられる」(山口県下関市)
「11aのうち3分の2のアスパラガスの親木が倒れ、ハウスは3棟全損。ダメージが大きく、来年の収量が激減する見込み」(長崎県東彼杵郡東彼杵町)
また、生産者で、こむぎ屋工房 恭農園(鹿児島県西之表市)の小川真二さんは、ポケットマルシェにコメントを寄せた。
「台風10号の突風で、野菜の支柱ごと持っていかれてしまい、畑にほぼ何も残っていないような状態。ケール20a・ゴーヤ20aを始め、ピーマン・なす・オクラ・小松菜・白菜などが壊滅し、推定被害額は300万円です。海に囲まれている環境なので、畑に塩がかかってしまっており、回復させるのに時間がかかります。ケールを希望してくれているお客様もいらっしゃいますが、収穫までに約3カ月かかる見込みです」
こうした被害状況を受け、ポケットマルシェでは、被害状況の収集と発信を目的として「災害対策室」を立ち上げ、生産者を対象にアンケート調査・ヒアリングを実施。被害状況や支援策について、ポケットマルシェ内の記事やSNSでの情報発信する。また、サービス内に「#台風被害で困っています」タグを用意し、被害を受けた生産者が食材を出品する際にタグ付けできるようにしている。タグを使う場合は、商品説明文に台風による被害状況を記載してもらい、被害にあった生産者を応援する手段として、消費者に活用をすすめている。
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