和歌山有田のみかん農園が六次産業で評価 グッドデザイン賞受賞 伊藤農園2020年10月9日
和歌山県有田市で、かんきつ類の生産・加工・販売までを手掛ける(株)伊藤農園の主力商品「100%ピュアジュースシリーズ」が、グッドデザイン賞を受賞。六次産業による、持続可能な農業のための会社全体の取り組みが評価された。
和歌山のゆたかな自然が生み出した、素材そのままの味わい
伊藤農園は、自社ほ場でのみかん栽培(一次産業)、規格外みかんを使ったジュースなどの加工品製造(二次産業)、通信販売・直営店などをはじめとした青果と加工品の販売(三次産業)のすべてを手がけ、六次産業の形態に該当する。ジュースづくりの始まりは30年以上前に始まり、「六次産業」という言葉に先駆けて、独自にこの事業形態にたどり着いた。
「100%ピュアジュースシリーズ」は、その独自性と背景を評価され、グッドデザイン賞を受賞。地域が直面する問題への取り組みと一体となった伊藤農園のジュースづくりは、自然条件や市場価格によって大きく左右される農家の暮らしを支え、規格外果実を有効利用や、農業の後継者不足の問題を解決するなどの取り組みにも寄与。「本当に美味しいみかんの味を届けたい」とこだわりの商品を作っている。
受賞に際し、審査委員からは「価格的には決して安くはないが、ていねいに作られた製品の価値は、長年にわたり市場の評価を得ている。収穫量に左右されていた収入が安定し、農家の担い手も徐々に増え、ジュース工場では雇用も生みだしてきた」とし、課題の多い農村地域で、30年以上にわたって持続可能な農業に取り組んできた実績を評価した。
伊藤農園のジュースの最大の特徴は、その搾り方にある。皮の雑味が入らない、果肉を口にしたときと変わらない味わいをめざし、独自の機械が開発された。果実を半分に切り、伏せたお碗が並んだような形の機械の上にひとつひとつ手で並べ、もうひとつのお碗で挟むように上から優しい力で押すと、家庭で手作りするようなジュースに。果実そのものの濃厚な印象とともに、すっきりとしたクリアな後味を実現している。国内外の高級レストラン等でも評価され、2019年にはG20サミットでソフトドリンクとして使用された。
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