AI検査装置の研究開発へ「イノベーション創出強化研究推進事業」に採択 キユーピー2020年10月12日
キユーピーは、農研機構生物系特定産業技術研究支援センター(生研支援センター)が公募する、「令和2年度 イノベーション創出強化研究推進事業」に採択され、10月1日に研究概要が公表された。
実施体制
同事業は、農林水産業と食品産業の発展や新たなビジネス分野の創出につながる基礎・応用・実用化の各段階における研究開発を対象としている。同社はこのうち、「応用研究ステージ」で、外観だけでなく内部も検査可能な低価格・高精度・高速な原料検査装置の開発をめざす。
キユーピーは、2016年にAIを活用した原料検査装置の開発に着手し、2018年からベビーフードの製造工場に、2019年からはグループ会社の惣菜工場に導入している。不良品を検出するためには通常、AIに「不良品」を学習させるが、キユーピーが開発した原料検査装置は、「良品」を学習させるという"逆転の発想"で、良品以外をすべて不良品として検出することが可能となり、飛躍的に検査精度や現場での操作性が向上した。
しかし、食品に使われる原料の種類は非常に多く、野菜などの農産物は形や色も一定ではないため、種類によっては判別が難しい原料もある。今回採択された事業では、AIアルゴリズムを始めとするサイバー技術、照明技術を始めとするフィジカル技術を共に改良することで、40品種以上への対応をめざす。また、人による目視や画像認識では困難とされる、原料内部にまで入り込んだ異物(虫)を電磁波センシングで検出することを主要テーマとして掲げている。これらの実現のため、産業技術総合研究所と(株)ブレインパッドの協力を仰ぎ、国内全体の"食の安全・安心のレベルアップ"を図る。研究期間は2020年度から2022年度までの3年間。
<研究開発テーマと実施体制>
(1)電磁波センシングによる原料内部の異物(虫)の検出技術の研究開発
電磁波技術とAIアルゴリズムの最適化により、内部混在の虫の高感度検出技術を開発する。
(2)多品種原料への対応(AI食品原料<外観>検査装置)
AIアルゴリズムおよび画像処理技術の改良等により、識別困難な異物を判別する。
(3)高処理能力への対応(AI食品原料<外観>検査装置)
AIアルゴリズムの改良による検査処理速度の高速化と高処理に対応する搬送機構を研究開発する。
(4)1~3を活用したAI食品原料検査装置のプロトタイプの開発
(5)AI食品原料検査装置の生産現場への実装と課題抽出
(6)同業他社および、原料メーカーへの提供(装置販売での利益は追求しない)
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(130)-改正食料・農業・農村基本法(16)-2025年2月22日
-
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践(47)【防除学習帖】第286回2025年2月22日
-
農薬の正しい使い方(20)【今さら聞けない営農情報】第286回2025年2月22日
-
全76レシピ『JA全農さんと考えた 地味弁』宝島社から25日発売2025年2月21日
-
【人事異動】農林中央金庫(4月1日付)2025年2月21日
-
農林中金 新理事長に北林氏 4月1日新体制2025年2月21日
-
大分いちご果実品評会・即売会開催 大分県いちご販売強化対策協議会2025年2月21日
-
大分県内の大型量販店で「甘太くんロードショー」開催 JAおおいた2025年2月21日
-
JAいわて平泉産「いちごフェア」を開催 みのるダイニング2025年2月21日
-
JA新いわて産「寒じめほうれんそう」予約受付中 JAタウン「いわて純情セレクト」2025年2月21日
-
「あきたフレッシュ大使」募集中! あきた園芸戦略対策協議会2025年2月21日
-
「eat AKITA プロジェクト」キックオフイベントを開催 JA全農あきた2025年2月21日
-
【人事異動】農林中央金庫(4月1日付、6月26日付)2025年2月21日
-
農業の構造改革に貢献できる組織に 江藤農相が農中に期待2025年2月21日
-
米の過去最高値 目詰まりの証左 米自体は間違いなくある 江藤農相2025年2月21日
-
【鈴木宣弘:食料・農業問題 本質と裏側】有明海漁業の危機~既存漁家の排除ありき2025年2月21日
-
村・町に続く中小都市そして大都市の過疎(?)化【酒井惇一・昔の農村・今の世の中】第329回2025年2月21日
-
(423)訪日外国人の行動とコメ【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年2月21日
-
【次期酪肉近論議】畜産部会、飼料自給へ 課題噴出戸数減で経営安定対策も不十分2025年2月21日
-
「消えた米21万トン」どこに フリマへの出品も物議 備蓄米放出で米価は2025年2月21日