大学受験・学部数は増加も受験料は減少 「2020年度保護者に聞く新入生調査」2020年11月12日
全国大学生活協同組合連合会は、新入生の保護者を対象とした「保護者に聞く新入生調査」を4月~5月に行い、122大学生協の2万347人から回答を得た。受験から入学、その後の大学生活の変化、大学入試制度の変更を前にした受験のための費用の変化、今後の大学生活や将来への保護者の不安や関心などを報告している。
調査は、新型コロナウイルスの影響により都道府県によって短縮または延長があった。ほとんどの大学でキャンパスへの立ち入りが禁止され、多くの大学で2020年度4月開講が延期となり、開講後の授業は、主にオンライン授業で行われた。
2020年度の特徴として、受験から入学までにかかった費用では、入試制度の変更を念頭に一般受験生の受験学部数が引き続き増加。受験学部数は増加しているが、受験料は減少した。また、保護者の意識は、大学選びの関心事として「所在地」「設置者」「就職実績」に加え、「ブランドやイメージ」も重視する傾向にあり、大学生活の心配事は「大学での授業や単位」が半数を超え、就職への不安も拡大した。
受験から入学までにかかった費用
入試制度の変更を念頭に一般受験の受験学部数が引き続き増加。一方で受験料と下宿生の生活用品購入額は減った。
自宅生の受験から入学までにかかった費用の平均は、国公立・自宅・文科系は135万900円、私立・下宿・医歯薬系は309万4700円。
受験から入学までにかかった費用の特徴として、費目別では「出願するためにかかった費用」が前年より減少。国公立は12万7100円(前年+100円)だが、私立は15万800円(前年-23,100円)と私立の減少が大きい。「受験料」は減少しているが、予定として考えていた額より高額となり困ったという意見は多い。「費用について予定と違って困ったこと」では「受験料が増えた」が22.4%と前年より2.8ポイント増加。特に一般受験生は31.0%とこの設問を始めた14年から10.9ポイント増加した。
受験から入学までの費用面で準備・工夫したことの上位3項目は前年と変わらず、「学資保険に入っていた」44.9%(前年-3.4ポイント)、「貯蓄を切り崩した」36.3%(前年+0.6ポイント)、「奨学金を申請した(する)」33.1%(前年+0.2ポイント)となった。「奨学金を申請した」は17年からの増減幅は1ポイントと小さい。「学資保険に入っていた」は、14年以降減少傾向だが、「貯蓄を切り崩した」は増加傾向が続いている。住まい別では、自宅生は「自宅通学にさせた」(28.3%、前年+4.1ポイント)、寮生は「奨学金を申請した」(51.7%、前年+3.9ポイント)の割合が高い。
受験大学選定の際に保護者が関心を持ったこと(クリックで拡大)
保護者の意識
子どもの受験大学を選ぶ際に保護者が関心を持ったことは、「大学の所在地」54.9%、「設置者(国公立・私立)」47.6%の順に高い。「大学の所在地」は自宅生が63.1%(下宿生46.7%)、「設置者」は国公立が71.0%(私立18.7%)を占めた。大学納付金や親元を離れた場合にかかる費用など、家計への影響の大きさに関心が高い。
これに続く関心事は「大学や研究の内容」(45.6%)だが、私立は「就職率などの就職実績」(50.6%)、医歯薬系の「取得できる資格」(55.7%)など、大学卒業後の子どもの将来を念頭に受験大学に関心を寄せる保護者も多い。また、「大学のブランドやイメージ」は30.9%(前回調査18年+9.2ポイント)と関心が高まっている。
大学生活を始めるにあたって心配なことでは、「新型コロナウイルスへの対応」63.5%を除くと、「大学での授業や単位のこと」51.7%が最も高く、前年から13.6ポイント増加した。「友達付き合いなど人間関係のこと」48.4%が続き、新型コロナウイルス感染症対応の影響による就学環境の変化を心配していることがうかがえる。
そのほか「就職や将来のこと」(46.8%、前年+13.0ポイント)は、10年以降最も高い値を示している。文科系51.4%、理工系44.9%と高く、前年からそれぞれ13.4ポイント・12.6ポイント増加した。医歯薬系は23.1%で、前年から9.0ポイント増。新型コロナウイルス感染症対応の影響で社会経済状況が変化したことにより、就職への心配が高まっている。
入学までの行動
入学した大学のオープンキャンパスには新入生の 56.5%が参加しており、推薦受験生は81.0%と高い。特に推薦受験の自宅生は86.7%にも上り、オープンキャンパス以外の見学にも58.4%と半数以上が訪れている。また、一般受験生もオープンキャンパスには43.4%が参加し、うち自宅生は56.6%(下宿生31.9%)と参加率が高い。
一方で新型コロナウイルス感染症対策により、入学式の中止や延期は94.9%となった。通常開催されたのは0.6%、本人のみ参加などの条件付きで開催されたのは2.7%で、入学式への新入生本人の出席は2.5%にとどまった。
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